月次決算にチャレンジしてみませんか?
月次決算とは、ひとことでいうと、先月の数字(利益と財産)が翌月にはわかっているということです。
自分自身の今後の行動を決めるための指針になりますし、融資を受ける際に提出する資料にもなります。

月次決算をやっていない人が多い理由
多くのスモールビジネスでは、月次決算をやっていません。
なぜか。ひとえに、やらなくても困らないから。それはそれで、いいことです。
困らないのは、親から相続した賃貸物件があったり、家族が稼いでいたりするという理由があるのでしょう。
そういった事情があると、月次決算をしなくても生活に困らないし、投資が必要なときは金融機関から借入もできたりします。
そういう、担保になるものや、他に頼るものがない経営者にこそ、月次決算が必要です。
銀行から「直近の試算表を見せてください」と言われたらぱっと出せるようにし、融資を受ける際のプラス材料の一つにしたいところ。
直近の決算書を見せればいいのは決算の直後、せいぜい1~2カ月だからです。
月次決算のメリット
決算書では事業の状況が悪く見えるときでも、月次決算をしている直近の試算表で改善の事実を示せます。
業績が良くなっている時期ほど資金がいるものです。
業績がよくなる → 2~3カ月後には運転資金が借りられる → さらに売り伸ばせる というサイクルに持ち込める可能性が高まります。
業績が悪くなってきても、早期に、資金の尽きるタイミングが認識でき、折り返し融資(借入を半分近く返済したときに、また当初借入額までの差額を借りる)などの対応が取れるでしょう。
それに、税務申告のためだけに申告期限にまとめて入力しているようだと、その時期の売上のチャンスを逃してしまうかもしれません。
経理業務の平準化を図るためにも、日々の会計ソフト等への入力、月次の入力が必要なのです。
月次決算をはじめるには
業務委託の仕事を受けているならば、仕事が完了した日のうちに、売上高を入力してしまいましょう。
freee会計の場合は、トップページの「収入の登録」ボタンから、「収入→未決済」で売上高(後受け)を入力できます。

「収入→完了」ならば、いわゆる現金売上、今日の仕事の代金を今日もらったときに使います。
発生日は、商品を納品したり、サービス提供を完了した日です。
「収入→未決済」の場合は、期日(お金が振り込まれる日)を入れておきます。
売上高を入力すると、気分も晴れていい感じになりますので、日々入れることをおすすめしています。
経費については、Excelインポートで入れるのがよいです。
経費は通常、現金払いが多いでしょうから、そのままの入力でよいです。○○費/事業主借 ですね。
1年以上のサブスクの前払は、月末にまとめて支払手数料等にする振替伝票を入力しましょう。
インボイス登録していて税込経理、そして2割特例が使えるなら、今月の売上高に応じた 租税公課/未払消費税 の振替伝票を入れます。

減価償却資産があれば、固定資産台帳の右上のボタンから、月次償却に設定を変更します。

自分自身が資本の人こそ、月次決算をすることが自分を守ることにつながります。
自分だけではやり方が分からない場合、わかる人に聞いてみましょう。
編集後記
1日1新:サンエトワールの新商品 プレミアムこしあんパン。ぎゅうひ入りで驚き。

1980年生まれ。木村将秀税理士事務所・代表。主にフリーランス・独立間もない個人事業主・法人設立を検討中の方のサポートをしている。自分で経理・申告したい/顧問税理士をつけたい/記帳代行を依頼したい に対応。特技はウォーキング(最長は戸塚~小田原間 45km 14時間)、趣味はジャズ喫茶巡り・村上春樹の本・SNK対戦型格闘ゲーム。プロフィール詳細