村上春樹作品は、1995年までの初期が軽め、中期以降は重めの内容に分かれています。原作『納屋を焼く』は初期の短編小説なので軽めの会話があるのですが、映画版では、そういう明るいポイントは慎重に取り除かれています。
一方、付け加えられたポイントは、性と暴力、井戸(井戸のように明かりが一瞬差し込む部屋)、猫の喪失、父への憎しみという、中後期の村上作品の暗いモチーフです。
お父さんの裁判のシーンで、「椅子を振り回して家具を破壊した」という証拠に、経験則をあてはめて、「暴力が故意である」と事実認定していて、おお訴訟法の世界と思いました。それを反面教師に、主人公は証拠を残さない方法を採ります。
父を憎むのは、父が自分と同じ性格だから。その性格が陰惨な結末を生むのですが、これって、まったく現代の日本ですね。最後に牛まで奪われて、孤独になりバーニングするしかない人々。映画の後味は悪いですが、現実も同じなのです。

1980年生まれ。木村将秀税理士事務所・代表。主にフリーランス・独立間もない個人事業主・法人設立を検討中の方のサポートをしている。自分で経理・申告したい/顧問税理士をつけたい/記帳代行を依頼したい に対応。特技はウォーキング(最長は戸塚~小田原間 45km 14時間)、趣味はジャズ喫茶巡り・村上春樹の本・SNK対戦型格闘ゲーム。プロフィール詳細