私が開業税理士として力を入れているのが、単発相談です。
ご自分の会計税務をサポートするほか、小規模な税務の代行を行うこともあります。
短期間に1~3回お会いするだけの方と仕事をする場合、その方とお話ししたことを、その日のうちに、自分用に文章にまとめています。
その日のうちに文章にする理由は、記憶が新鮮なので、結果的に文章を書くスピードが上がるからです。
1回90分程度お話ししただけで、いろいろなことが分かるものです。

文章でしか表現できないこと
お聞きした話を文章にまとめる場合、大事なことは、感想をまじえず、事実を列挙することです。
お話だと時系列が飛びがちなので、それを正しい順序で並べるのがコツです。
だったら箇条書きでもいいではないか。
と思うかもしれませんが、だめです。
その人の人生の流れを表現することが、箇条書きでは難しいのです。
いま、このような状態である(だから利益や税金はこのとおり)ということを、会計や税務で表現するのが税理士の仕事です。
いま、このような状態に至った流れを、文章でよどみなく表現できれば、いまの状態はあるていど正しいといえる、と考えています。
そうすれば、いま、証拠にもとづき作成している会計・税務の書類も正しさに近づいているのだな、と思えます。
文章にすると、つながりが見えてくる
いまの状態を正当化するために、理屈をこねたりすると、文章が長く、複雑になります。
妙に相手を説得しようとする文章になっていないか、私は自己チェックしています。
事実をシンプルな文章で並べるだけで、「いまの状態がこうなのも、なるほど、そうなんだろうな」と自分で思えるか。
読んだ人に思ってもらえるかどうかが税務会計、ひいては経営では大事です。
昔は別業界で、各地域の個人事業者の方とお話しする機会がありました。
その際、「いまのお仕事をする前は何をやっていたのか」を、必ず聞くようにしていました。
税理士になったいまでも、そうしています。
10年以上前ですが、「いまは○○を売っているけど、昔は布団を売っていた」という話をお聞きしたこともあります。
販売するのがこの方の能力なので、それを活かしていらっしゃるんだなと、腑に落ちたものです。
特に人の人生に関しては、文章にまとめるのが向いています。
裏付けがほしければ、その背景を文章にしよう
すばやくやろうと思ってリストや表にするのもいいのですが、あえてスローに、文章にしてみましょう。
文章にする対象はなんでもいいです。
「これは経費になるか」でもいいです。
経費になる理由を、事実をベースにすっと文章にできれば、なるのではないですか?
筋の通った文章にできなければ、ならないです。
いま、こうなっていることの必然性をさがすのに、過去の事実関係を文章にするのはおすすめです。
流れのよい文章にできれば、今の状態や判断の正しさの裏付けになるからです。
近況報告
相続税に関する単発の仕事を受任。
東戸塚にヤオコーというスーパーができる(12月1日オープン予定)というので、現地を見てきた。
1日1新:ラーメン 品の一

1980年生まれ。木村将秀税理士事務所・代表。主にフリーランスやNPO法人のサポートをしている。自分で経理・申告したい/顧問税理士をつけたい/記帳代行を依頼したい に対応。特技はウォーキング(最長は戸塚~小田原間 45km 14時間)、趣味はジャズ喫茶巡り・村上春樹の本・SNK対戦型格闘ゲーム。プロフィール詳細