月末退職で社会保険料を2カ月分天引きすべきケースとは

従業員の方が月の途中で退職した場合は、退職月の前月分の保険料を退職月の給与から控除し、月末に退職した場合は、退職月の前月と退職月の2か月分の保険料を退職月の給与から控除することができます。

退職した従業員の保険料の徴収(日本年金機構)

退職する人の社会保険料を、給与からどう引くか? 年金機構の説明はちょっとわかりにくいです。「月末退職は2カ月分引く」は有名な話ですが、2カ月分引くかどうかは、会社の給与支払いのタイミングによります。

まず、日本年金機構の説明の読み方の注意点。「退職月の給与」というのは、「退職月に支払った給与」という意味です。社会保険の世界では、給与は現金主義で考えます。

退職した人には退職月の翌月以降、給与を支払わないとしている会社があります。一方、月末退職だと、退職月分の社会保険料も控除する必要があります。このタイプの会社だと、退職月の翌月に支払う給与がないので、天引きができません。だから、退職月に最後に支払う給与から、退職月の前月分と、退職月分の2カ月分の社会保険料を引く必要があるのです。

一方、給与の締め日と支給日との関係で、退職月の翌月に給与を支払う会社もあります。月末退職の場合、退職月分の社会保険料は、退職月の翌月に支払う給与から天引きできるので、退職月に支払う給与から1カ月分、退職月の翌月に支払う最後の給与から1カ月分引けばいいことになります。(ただし、最後の給与が日割で少額となり引けない場合は、その前の給与から2カ月分引くことになります)

ややこしくなってきましたので、表でまとめました。

社会保険料を何カ月分引くか

給与の締め日は関係ないです。退職月の翌月にも給与の支払いがあるかどうかがポイントです。

なお、この表は、前月末在職者について、今月支払う給与から前月分の社会保険料を控除するという、法律どおりの方法で給与計算している場合のものです。