『最後の大君』と Harukimurakami Archival Labyrinth

『ラスト・タイクーン』の村上訳。tycoonの語源は日本語の「大君」ですね。

作品は、10章中6章で途絶えた未完かつ未ブラッシュアップ状態の遺作でありながら、文章は精緻で美しく、村上訳スコット・フィッツジェラルド作品では最もぐいぐい読めました。

村上春樹が “The Novel” と呼ぶ作家の作品の中でも、村上さんへの影響を強く感じます。個人的には、「選択には理由がない」ことについて、序盤と終盤とで2回語られることに心惹かれます。

奥付を見ると、 Harukimurakami Archival Labyrinth との表記が。「こんなの、今までなかったよな」と思って、国税庁法人番号検索サイトで調べてみました。

すると、「一般財団法人村上春樹迷宮文庫」が出てきました。この英語表記ですね。令和3年10月1日に所在地変更しています。この年10月1日は通称「村上春樹ライブラリー」の開館日でした。