仕入 ××× 繰越商品 ××× … 期首商品を売上原価に加える 繰越商品 ××× 仕入 ××× … 期末商品を売上原価から除く
簿記3級を受験した方なら「しーくり、くりしー」を習ったと思いますけど、経理の仕事に就いた後、このとおりには仕訳を入力しないことが多いのでは。ある会計ソフトでは、次のように入れます。
期首棚卸高 ××× 商品 ××× 商品 ××× 期末棚卸高 ×××
見た目が違うと、何を言っているのか分からない。この分からなさは、受験簿記は仕訳の科目と損益計算書(P/L)の科目とを分けて考えているのに、会計ソフトでは仕訳の科目と損益計算書の科目とを一致させていることが原因です。
一つ目の仕訳で増やしている期首棚卸高は、前期のP/Lの「期末棚卸高」と同額。この仕訳は、前期のP/Lの「期末棚卸高」と、今期のP/Lの「期首棚卸高」を一致させ、2期のP/Lの期末と期首とをつなげるという意味があります。
したがって、この場合の期首棚卸高は、期中、絶対に修正してはいけません。前期末のP/Lの期末棚卸高とズレてしまうからです。