最初の節税として、小規模企業共済は、おすすめです。
特に、まとまった売上があるが、経費はそれほどかからない、腕一本の仕事をしている。という方に。
掛金が、65歳以上でお仕事をやめたときの退職金や、万一のときの生命保険金になります。
同じ効果の生命保険金を、どんなに支払っても所得控除は最大4万円(将来的には子育て世帯は6万円になる見込み)ですが、これは、最大84万円(支出額と同額)ですからね。
これは、ひとりしごとの個人事業や、社員数が少ないうちに加入する必要があります。会社が大きくなると加入できなくなってしまうからです。そういう意味でも、最初の節税策です。
小さいうちに加入しておけば、会社が大きくなってからも、掛金を継続して払うことが可能です。
もっというと、法人成りしたときも、個人事業からの加入期間を継続することもできます。
半年から1年、使うあてのないお金を掛金にしよう
ただし、加入してから半年以上経たないと、何があってもお金は戻ってきません。掛け捨てです。
加入してから1年以上経てば、急にお金が必要になっても、掛金総額の7割程度、共済から借り入れができます。
借り入れなので、利息はかかりますが、出て行ったお金の大半を一時的に戻すことができるので、資金繰り的にもリスクは少なめです。
そのためには、「1年間、このお金がなくても大丈夫」という金額を知っておく必要があります。いまの月々の利益と、現時点の貯金額から、余裕資金を割り出してみましょう。
貯金ができているならば、年払いにすると、あとでキャッシュバックがあります(この分は、所得控除からは除くので、通知はがきを取っておいてくださいね)。
貯金はなくても、利益が出るようになっていたら、その一部を、小規模企業共済に充ててもよいでしょう。月1,000円から500円単位で掛金を設定できます。一種の天引き積立て感覚ですね。掛金の中途変更も可能です。
掛金をいくらにすべきか
掛金をいくらにすべきか、税理士に相談してみるのもいいかもしれませんが、いちおうの目安を。
利益が少ないうちでも、月1,000円(年12,000円)からかけられます。加入期間が長いほど有利なので、まず少額でも加入しておくことをおすすめします。
もちろん、利益が十分あれば、最大の月7万円(年84万円)でいいのですが。貯金もあれば年払いにして、掛金をちょっと安くしてもいいですね。
そんなにかけられないという方でも、この先20年以内の廃業時に退職金としてもらう予定でしたら、月額28,000円程度にしておくのはどうでしょうか。
退職金には税金があまりかかりません。この掛金ですと、退職金として共済金Aをもらう場合、源泉徴収がされません。
ただし、他にも退職金があったり、法律の改正・金利の上昇があったりすると、このとおりでないことにご注意ください。
60歳前後の方でも、仕事を続けるつもりなら加入を検討
年齢制限はないので、特に定年のない仕事である個人事業主にメリットが大きいです。
課税所得金額が330万円以上であれば、掛金の約30%、所得税が安くなる計算です。
確定申告書の控除欄「小規模企業共済等掛金控除」が0円の人は、加入を検討してみましょう。
公式サイトで加入シミュレーションができます。住民税は自治体で多少違うので、ぴたりとはいかないですが、かなり正確に節税額を計算してくれます。
「実質返戻率」で、すごく有利な割合を見せられます。しかし、節税額なんて毎年同額ではないし、あてにしすぎないほうがいいです。
生命保険の説明では、実質返戻率という用語は禁止されています。節税メリットが強調されると、本来の支払い目的があいまいになってしまうからです。
あくまで共済(退職金代わり、生命保険金代わり)であることを、忘れないようにしましょう。