事業所得が400万円だったら、あとから来る税金、社会保険料はざっくり、いくらになるか

ネットで自分の税額がわかる、便利な時代になりました。

確定申告書等作成コーナーで、青色申告決算書をつくって、納付税額を出して。ああ、これだけ払うのね。

もうけが400万円くらいだと、税金は14万円くらい(個人の事情で前後します)。このくらい別にお金を取っておけばいいのか。

ちょっと待ってください。それ、所得税だけです。

所得税のほかに、住民税や社会保険料がかかる

このときの所得をもとに、ざっくり計算しますと、次の税金・社会保険料がかかってきます。

  • 所得税 所得の約4% 3月15日までに納付
  • 市民税 所得の約5% 6月末、8月末、10月末、1月末までに納付
  • 県民税 所得の約1% 6月末、8月末、10月末、1月末までに納付
  • 事業税 所得の約1% 8月末、11月末までに納付
  • 国民健康保険料 所得の約14% 6月から翌年3月まで10回納付
  • 国民年金保険料 所得の約5% 5月から翌年4月まで12回納付

合わせて所得の約30%。事業所得が400万円の方なら、そのうち、120万円を取っておく必要があります。

とはいえ、すぐに(3月15日までに)払うのは所得税だけで、あとは遅れて払うものです。

税金と社会保険料の分を、別の口座によけておく

事業所得は、現金収支とは多少ずれはありますが、長い目で見れば、現金収支と同じです。

前年12月末までの収支がプラスになっても、税金と社会保険料の分、黒字額の30%は、あとで払うんだな、と思って、別の預金口座に入れておき、そこから納付してはどうでしょうか。

残ったお金が、当面、自由に使えるお金です。

税金や社会保険料は後払いなので、30%貯金をしておけば、その後も収支がプラスならば、余裕をもって納付ができます。

他方、去年より所得の水準が急低下した方は、要注意。税金や社会保険料の負担が軽くなるのは、来年になってしまうからです。

プロ野球選手が引退すると、収入がないのに去年のもうけが大きいので、お金だけが出ていって大変、という話は聞いたことがあると思います。

もうけは前借りだと思っておくくらいで、ちょうどいいのではないでしょうか。

所得税以外のほうが、重く感じる理由

所得税は、最低税率が約5%です。所得400万円なら、所得が高い部分に約20%かかるだけなので、意外に優しいです。個人的な事情も考慮してくれます。

市民税、県民税合わせて税率は誰でも約10%。所得税の最低税率より常に高いので、重くなりがちです。

事業税は、設備や特殊な資格をもとに仕事をする方にかかります。ひとり仕事の方にはかからない場合もあります。

国民健康保険料は、所得税で使える様々な所得控除はほとんど使えません。住民税の基礎控除43万円しか引いてくれないうえに、最低料金+定率なので、所得に対しては重くなります。

退職金に対してはかかりませんが、上場株式の配当を申告した場合は、その分、国民健康保険料も高くなります。

国民年金保険料は、誰でも同じ金額です。

まずはもうけの30%を取っておくこと、と覚えておいていただければと思います。

確定申告のご依頼をいただいたお客様には、去年分の納税額と合わせ社会保険料もお知らせします。また、その負担額を参考に、来年の目標売上を設定し、その場合の納税予測額もお伝えしています。

今日のできごと

  • 横浜スタジアム近くのスタバのあたりから、馬車道側に抜けていく途中のビルの5階にある文房具屋を発掘。
  • さらにずんずん行くと、税理士向けの本をいっぱい売ってる書店があります。両方でお買い物をしました。
  • このあたりは、私のお気に入りエリアです。