障害者の収入は確定申告する必要があるか

障害者でも様々な収入を得ることがあり、申告が必要なものと、そうでないものがあります。

心身障害者福祉手当は、雑所得

障害者であることで受けとれる収入は、非課税のものが多いのですが、一部、雑所得となるものがあります。

心身障害者福祉手当も、その代表例です。手当と名のつくものは、課税のものと非課税のものとがあります。

ただし、課税されるものであっても、その年収が(特別)障害者控除+基礎控除を合わせた750,000円~880,000円以下であれば、結果的に税額は出ないことになります。

もし、申告書を作成しても、「所得控除=所得から差し引かれる金額」以下であれば、結果的に確定申告は必要ありません。

他にも課税される収入があって、合わせて所得控除を超える場合には、確定申告が必要となります。

雑所得となる手当など

  • 重度心身障害者手当
  • 心身障害者福祉手当
  • 難病患者福祉手当
  • 児童育成手当(障害手当)
  • 児童育成手当(育成手当)
  • 乳児養育手当

非課税の手当など(申告書に記載しない)

  • 特別児童扶養手当
  • 障害者福祉手当
  • 特別障害者手当
  • 心身障害者扶養共済制度の給付金(脱退一時金を除く)
  • 障害年金

A型就労の給与は、ふつうの給与所得

就労継続支援事業(A型)で受け取る収入は、会社員の方と同じ扱いで、お給料です。給与所得の源泉徴収票が発行されます。

勤務先が年末調整もしてくれますので、他の所得が20万円以下でしたら、確定申告は不要です。

B型就労の収入は、雑所得(家内労働者特例の対象)

就労継続支援事業(B型)で受け取る収入(工賃)は、会社員とは異なり、雑所得です。

給料ではないので、源泉徴収票は発行されません。

税金上の扱いとしては、「内職の人」(家内労働者等)と同じになります。収入から実際の経費を引いた残りに課税されます。

ただ、給与所得ではないのですが、給与所得と同様に、55万円の概算経費が一定の場合、認められます。

他に「給与」としてもらう収入が55万円超ないときは、B型就労の収入から55万円引けますので、税負担は給料並みになります。

少額貯蓄の利子等の非課税

障害者の「親なきあと」のために積み立てる預金の利息についても、税の優遇があります。

  • マル優を利用した、預貯金・貸付信託・公社債・公社債投資信託の利子・配当
  • 特別マル優を利用した、利付国債・公募地方債の利子

貯蓄限度額は、いずれも350万円までです。

手帳をお持ちでない高齢者が障害者控除を受けるためには

障害者控除は、原則として、障害者手帳をお持ちの方が受けられる控除です。

しかし、65歳以上で寝たきりになるどした場合、手帳がなくても障害者控除が受けられる場合があります。

お住まいの自治体の高齢・障害支援課に、「障碍者控除対象者認定申請書」を提出し、「高齢者の障害者控除認定書」が発行されていることが必要です。

認定書が発行されたら、「令和〇年分から」の表示を確認して、今年の確定申告に使えるかどうか判断しましょう。

認定書は、役所の窓口に行かれると即日発行してもらえるケースもありますので、確定申告期限が近づいていますが、まだ間に合います。

ご本人やご家族が対象になりそうな方は、お住まいの自治体にお問い合わせされることをおすすめしています。


今日の初めて

  • 確定申告会場が開いているときの最寄りの税務署の様子を見に行く
  • 整理券があっても、あんなに並んでいるんだなあーと