税理士という専門家業をやっているので、他の専門家の仕事のしかたを、よく参考にしています。
お医者さん、歯医者さんは、身近なので参考になることが多いですね。
この間行った、とある病院の診察室に、次のようなメモが貼り出されていました。
- Situation 状況…何が起こっているか
- Background 背景…臨床的背景と状況は何か
- Assesment 評価…何が問題だと思うか
- Recomendation & Request 提案・要求…解決するには何をすればいいか
Wikipediaによると、SBAR(エスバー)という、元は軍隊(原子力潜水艦)の報告に使われていたコミュニケーションの様式なのだそうです。
その後、航空業界、医療関係者に使われるようになったといいます。税理士業務でも、使えそうな気がしますね。
税理士の仕事に応用してみると
もともとは、目的を同じくするメンバー同士の意思疎通を前提にしたシステムのようですね。
それも特に緊急性が高いときに、短い時間で効果的に伝えるためのものです。
私は、ひとりで税理士事務所をやっていますので、何かを伝えるべき同僚や上司がいません。内部に気を遣わなくていい、というのが求めていた環境なので、こうしているのですが。
すると、伝えるべき相手はまず、お客様ですね。例えば、
Situation:収入はあるが、税金がかかっていない
Background:所得が所得控除を下回っている
Assesment:所得控除で赤字が出ても、来年に繰り越せないので、もったいない
Recommendation &Request:もっと収入を増やしたほうが税金的にはよい。具体的には、次のような行動を起こしてはどうか?
……こんな感じで、けっこう使えそうな気がします。
SBARを知らずともやっていたことですが
せっかくご依頼いただいたお客様ですから、単に税務申告の代行にはとどまらないようにしています。
今年の売上から、来年の売上を推測する。利益率から、利益も予測できます。
単純にいまのペースで推移したら、来年の納税額がいくらかをお示しできる。
「税金でびっくりするようなことが起こらないようにする」というのが、税理士のひとつの仕事であると考え、お客様にお伝えしています。
自分自身の仕事や生活を考えるのにも使えるかも
メンバーはいませんが、自分との対話にもSBARは使えそうです。
買った本が積読になっている… 早く寝ることができない… ホームページからの仕事の依頼を増やすには… といったもやもやが、いくつもあります。
これらをSituationとして整理して、お客様に伝えるように、自分を自分のお客様と考えて、自分にRecommendation & Requestができるのではないか?
軍隊・航空業界・医療関係という、生き死ににかかわるところで使われていた技法。ということは、もちろん、もっと緊急度の低い場面でも使えるはずです。あなたの業界でも、あなた自身でも、SBARを応用してみてはどうでしょうか。
今日の初めて
- 和田町 ラーメンどんとこい家…午前4時から午後1時半まで営業の家系ラーメン。今日は大雨だったせいか、待たずに入れました。なかなかおいしかったです。