税金の話では、うまい話はないか、あっても翌年には規制されてしまうと思ったほうがよいです。
昔は、たしかにありました。
1,000 万円以上で建物を仕入れてきて、100 万円以上の消費税の還付を受ける。
その年のうちに簡易課税制度を選択して、翌期に建物を売る。
すると、簡易課税では、売上に応じて消費税の納税を減らせるので、同じ建物について、2 回、 100 万円以上の消費税の減額ができてしまっていました。
いまは、もうできません。 1 単位で 1,000 万円以上の投資をすると、翌期に簡易課税制度を選択することができないからです。(高額特定資産を取得した場合等の納税義務の免除等の特例といいます)
総額で 1,000 万円以上の投資をしたら、内訳をチェック
「ああー、今年はもう、 1,000 万円以上使っちゃったな……」とお思いの、消費税を継続的に支払ってらっしゃる方。
例えば、今期、賃貸用の駐車場を整備したとしましょう。総額で 1,000 万円以上かかっています。
翌期の基準期間の売上高は 5,000 万円以下。本来ならば、翌期から簡易課税制度に戻れるはずです。
単体で 1,000 万円以上の投資をしていたら、「それだけ余力のある会社だ」と見られて、中小企業向けである簡易課税制度が使えません。
でも、あきらめるのはまだ早い、かもしれません。
単体で 1,000 万円以上かどうかは、機能単位で区切る
念のため、その投資内容を、確認してみましょう。
工事の内訳を「機能を発揮する単位」ごとで見て、 1,000 万円未満のものに区切れるのでしたら、規制されない可能性が出てきます。
貸駐車場の整備内容が、次のようだったとしましょう。
- アスファルト敷設 990 万円
- 排水溝 220 万円
そして、あなたは、他にも駐車場をお持ちで、そちらには排水溝はなかったという前提です。
すると、貸駐車場の機能を発揮するためには、アスファルト敷設工事(車を安定して停めるための設備)だけあればよいことになります。
排水溝がなくても、駐車場として貸せるのですから。
排水溝があるのは、水はけをよくすることを目的に、別に設置したにすぎません。
そうすると、今回の投資は、最も高額なアスファルト敷設工事を見ても、 1 単位あたり 1,000 万円未満なので、高額特定資産には該当しないことになります。
このあたり、総合的な判断となりますので、税務署や税理士へのご相談をおすすめします。
しかし、その単位を非常識に区切ってはいけない
1,000 万円は、機能単位で区切るとご説明しました。
もしここで、一つの駐車場のために、 1,200 万円かけて、排水溝を整備したとします。
常識で考えれば、これは 1,000 万円以上の高額特定資産に該当しますので、来期は簡易課税制度を選ぶことができません。
「でも……、排水溝って、 U 字溝 1 個 1 個を組み合わせて作ってるじゃん? 排水溝 600 万円分と 600 万円分とに分けて、違う資産だよってすれば、該当しないんじゃない?」
だめです。一つのつながっている排水溝ですよね? その理屈を推し進めると、極端な話、 U 字溝 1 個の値段なら 10 万円未満だから、全部経費だという話になってしまいます。
そういう非常識な単位設定は NG です。 U 字溝 1 個だけでは、何の機能も果たさないからです。 1 個で収まる長さの極小排水溝だったならともかく。
制度上、利用できる制度は堂々と利用すればいいです。でも、事実を曲げて有利な制度を利用しようとはしないように、お願いします。
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