『天気の子』の主題歌は、「愛にできることはまだあるかい」。「ティーンエイジャーに愛だなんて」という批判をものともしない映画だ。
「自分たちが、世界のかたちを変えてしまった」と、帆高は信じている。だが、大人たちからは、「そんなことはない。だから責任を感じる必要もない」と言われる。それじゃ、『ムー』の記事を信じているようなものなのだろうか?
でも、2年半ぶりに会った陽菜さんは、坂道で一心に晴れを祈っている。自分たちのせいで、東京の3分の1が沈んでしまったから、責任を感じて、世界が元に復すように祈っているのだ。
帆高は泣いてしまう。それは、自分と同じことを陽菜さんも信じていて、自分と同じように、責任を感じているから。
一人では、狂っていると言われても仕方ない。でも、もう一人いる。しかも、二人とも、責任まで感じているのだ。二人で同じならば、大丈夫だ。責任があるから、信じ続ける。これは愛の一つの形だと思う。