個人事業主の仕事といっても、こちらから請求書や領収書を出す仕事ばかりではありません。
預金に振込入金だけされる場合も多いです。そして、個人事業の場合には、そこから税金が源泉徴収(天引き)されていることもしばしば。
先方から支払通知書が来たり、年明けに支払調書が来たり(来ないこともふつうです。先方に交付義務はないので)すれば、いくら天引きされているかがわかります。
それがまだ来ない場合、天引きされる前の売上総額をどうやって確認するか、方法を紹介します。
仕事を決めたときの資料を確認しよう
入金だけがある仕事は、報酬をお客様が決めている場合が多いです。
その料金が提示されたときのメールとか、料金表のようなものがお手元にあれば、それで売上総額が分かります。
消費税込か、消費税抜かはチェックしたいところです。フリーランスの仕事なら、税率は10%です。
その売上総額-入金額=源泉徴収税額です。
入金額から逆算しても1円~数円ズレるときは?
料金の資料がなければ、入金額から逆算して売上総額を求めることになります。
入金額÷0.8979=売上総額
入金額>897,900円の場合は、税率が上がるので、(入金額-121,000)÷0.7958=売上総額 となります。
Excel でも計算できますが、 CASIO の高精度計算サイトを使うのも手です。
消費税抜きの金額をもとに源泉徴収されている場合も計算できます。(天引き額が少なくなります)
源泉徴収税を手取額から逆算 – 高精度計算サイト (casio.jp)
これで基本、合うのですが、どうしても思った金額と1円~2円ズレるなあ、という方の場合。
そのお仕事、月に2回以上やっていませんか?
支払者(お客様)のほうで、仕事1回ごとに源泉税を計算して、1回ごとに税額を切捨てている場合、端数処理の回数1回ごとに税額が1円ずつ減って、反対に振込額が1円ずつ増えることになります。
例えば、10,776円振り込まれて、売上総額を逆算すると12,001円になって1円多いな、と感じる場合。
支払者のほうでは、6,000×0.1021=612円を源泉徴収していて、1回5,388円で支払い金額を考えている可能性があります。
2回分なので5,388円×2回=10,776円が一括で振込まれたということです。
それ、報酬じゃなくて給与かも?
1円どころか、逆算すると全然合わないんだけど……という場合。
11,633円振り込まれていて、逆算すると12,955円になる(計算上の源泉徴収税額1,322円)。
12,000円だと思うんだけどな……ということでしたらこの場合、支払者(お客様)のほうでは、報酬ではなく、お給料と認識しているのかもしれません。
単発の仕事だと、給与所得の乙欄で源泉徴収されるケースもあります。
少額なら、振込金額÷0.96937をしてみてください(金額が大きい場合は「源泉徴収税額表」の乙欄を見ます)。
この場合、消費税はかからないので考慮する必要はありません。
11,633÷0.96937=12,000円と、お考えの金額と一致すれば、給与です。年末か年明けに、給与所得の源泉徴収票が送られてくるでしょう。(計算上の税額は367円。課税対象が88,000円未満であれば、給与額の3.063%が乙欄源泉)
なので、この入金額は、会計ソフト(青色申告決算書)の売上高に含めてはダメです。
普通預金/事業主借 といった仕訳で入力して、確定申告のときに「給与所得」で申告していただければと思います。
給与所得が他になければ、天引きされた税金は、確定申告のときに前払分として納税額から引く(あるいは還付)ことができます。
昨日のはじめて
Bar Bar Bar