いまからでも聞けるレシートと電子取引データの保存

会社員や公務員だったときにはしなくてよかったこと、その一つが「レシートの保存」、「ネット通販のインボイス保存」です。

とはいえ、勤め人時代に経費精算で同じようなことはやっていたと思います。

違うのは、自分でその支払いの証拠を保存しなければならない、というところでしょうか……。

会社なら、経理の人に出せばそれでおしまいでしたからね。

スモールビジネスの場合で、3通りのやりかたをご紹介します。

自分でやるなら、月別に保存する

量が少なく、お金を使った自分自身で管理しきれる場合、毎日・毎週・毎月といったタイミングでExcelに入力していくのが基本です。

  • 日付
  • 金額
  • 取引先
  • 内容
  • 勘定科目

を入れておけば、あとから「なんだっけ」とはならずに済みます。交通費なら、行き先も入力しておきます。

上記のような集計がおすすめです。

Excelに詳しくなければ、簡易帳簿形式(多桁式出納帳)に入力しておきましょう。

定期的に入力していれば、それが何だったのかは後になっても分かります。

また、そのレシートを再確認するのは、税務調査のときや、税理士に質問されたときでしょうから、何月の経費かが分かれば十分です。

なので、月別に保管しておきます。1年ごとに13ポケットファイルを買って、その月のスペースに入れておけばいいです。糊付け、テープ貼付けとかはしなくていいです。

去年の決算書と見比べてみて、勘定科目に大幅な増減があったり、粗利率(損益計算書の⑦÷①)に変動があったりした場合には、青色申告決算書の「本年中における特殊事情」でその理由を説明しておきましょう。

税理士に記帳代行を頼むなら、勘定科目別に保存

支払のつど入力しない場合は、勘定科目のクリアファイルか多ポケットファイルを買って、支払の内容に応じた科目のスペースに入れておきます。

勘定科目名を書いた封筒に入れるという方もいます。

払ったときにすぐ勘定科目を判断して入れておくので、何の支払だったか思い出しやすくなります。

同じ年であれば、多少日付が前後してもかまいません。

最終的に決算書に勘定科目別で集計するので、勘定科目別の保存をおすすめしています。

勘定科目は、どこへの支払いを、何にするか、最初に決めて、そのルールを守りましょう。以下、税理士に聞かれやすいポイントをいくつかご紹介します。

  • モノを買ったら、消耗品費。ただし、10万円以上のものは何を買ったかがわかるように
  • 修繕費は、20万円以上の場合、何が起きて、何のためにやったのかがわかるように
  • 接待交際費は、誰と行ったかわかるように
  • 雑費はなるべく使わない

上司のチェックが入るなら、決済手段別に保存

経理担当者がいて、その処理を上司なり社長なりがチェックする場合には、レシートなどは現金払いの経費+現金出納帳、預金払いの経費+通帳・ネットバンク という整理になります。

よく、経理の本を買うと、「A4の紙やスクラップブックに、レシートが一覧できるように貼付けましょう」と書いてありますが、これは社内で別の人によるチェックが行われるときに取る方法です。

紙の伝票を起票するというやり方も、そうですね。何で紙にするのか、何で見やすく貼るのかというと、他人に見せるため。それも毎回、毎月見せるという場合です。

自分以外に経理にかかわる人がいなければ、こういうかっちりしたやり方はしなくていいのです。

電子取引の保存はファイル名yyyy-mm-dd_xxxx_社名で

これも、上司に見せるフローになっていると、印刷しているケースも多いと思います。

電子帳簿保存法改正で、データの保存が義務化されましたが、従来どおり、印刷したデータの綴りを保管しておき、それとは別に、データさえ取っておけば、スモールビジネスでは十分です。

2年前の売上高が5000万円以下であれば、ファイル名も適当でいい。

Amazonビジネスに至っては、10年間Amazonで保存してくれるので、ダウンロードすら必要ないです。

ただ、経理をするにあたっては、本当にファイル名が適当だったり、ダウンロードしていなかったりすると、単純に不便という場合があります。

2024-09-08_1884_ラクスル.pdf といった、日付_金額_社名.pdf くらいのファイル名をつけておけば、自分にとってわかりやすいです。入力のもれやダブりにも気づけます。

このファイル名変更をしたデータを、年ごとに一つのフォルダに入れて、ファイル名で並び替えれば、十分会計データとの突き合わせにも耐えます。

税務調査の際に、これらのデータをUSBメモリへのコピーを求められたら、その年のフォルダをぱっとコピーできる状態にしておけば、十分です。

昨日の読書

子どもから進められて、『地雷グリコ』を読みました。自由なスタイルの勝負事だな……。