法人化して役員報酬を取るとかかる社会保険料はいくらか

いまは、ひとり司法書士法人、ひとり土地家屋調査士法人も作れるようになっています。

以前は、節税のために法人化という話はありました。

給与所得控除が取れてお得だとか、2年間消費税を払わなくていいとか、保険料が経費に落ちるだとか。

しかしいまは、給与所得控除も上限があるし、インボイス登録したら1年目から消費税はあるし、経費になる保険も相当少なくなりました。(うまい話は、どんどんふさがれる傾向にあります)

なので、法人成りシミュレーションをしても、「思ったより手取りが増えないな?」と思うのではないでしょうか。

役員報酬は、毎月同じ金額にして、年に1回しか変更できないという制限もあります。

その点、「個人のままほうが、自由にお金が使える」と考える方も多いかもしれません。

もう一度行ってみたい「隠れた名店」。昔は丸山台にもあった

法人化、会社組織にしたら社会保険の加入が必要

いまは、役員ひとりの法人でも、給与を支給する限り、社会保険の加入が義務付けられています。

法人があるのに、加入していないと、年金事務所からお尋ねの手紙が届くこともあります。(実際に給与支給がなければ、その旨回答すればOKです)

しかし、お客さまとの関係上、ひとりであっても法人にならざるを得ないということもあります。すると、生活費は役員報酬として、会社からお給料として受け取ることになります。

その場合、役員報酬に加えて、あらたに会社の経費として見込む必要があるのが、社会保険料(法定福利費)です。

(役員報酬+通勤手当)×15.32%を見込んでおく

社会保険料の会社負担分は、神奈川県で2024年3月以降の場合、ざっくりですが、次のとおりです。

支給額(役員報酬+通勤手当)×15.32%(※40歳から64歳、標準報酬月額88,000円以上665,000円未満の場合)

社会保険料の計算の基礎となる標準報酬月額と、支給額とは、実際には違ってきますが、おおむね、これで把握できます。

40歳未満の場合は、通常、14.52%です。

また、労働保険料というものもありますが、通常、役員にはかかりません。

このパーセンテージは、全国健康保険協会の保険料額表の神奈川県のページの上の大きい%と下の小さい%を見ていただき、健康保険料・厚生年金保険料の料率の半分と、子ども・子育て拠出金の料率とを合計したものになります。

  • 介護保険…に該当する場合【40歳以上64歳未満】 : (11.62+18.300)/2+0.036=15.32
  • 介護保険に該当しない場合【39歳以下】 : (10.02+11.62)/2+0.036=14.52

神奈川県以外であっても、協会けんぽであれば、この方法でOKです。

(参考)役員報酬+通勤手当(標準報酬月額)が、665,000円から大きくなればなるほど、負担率は下がっていきます。厚生年金保険料に上限があるからです。

このパーセンテージをかける「標準報酬月額」や、実際の天引き額がいくらになるかは、社会保険労務士さんへ確認していただくのが確実です。

役員報酬を払った翌月末に引き落される金額は

役員報酬からは、源泉所得税と社会保険料を天引きします。

とはいっても、天引きした金額は、役員に払うか、税務署・年金事務所に払うかの違いだけなので、出ていくお金は変わりません。

社会保険料は、さきほどの15.32%(14.52%)の会社負担分があります。

仮に、役員報酬+通勤手当=200,000円なら、会社負担分は、30,640円。

20万円の役員報酬(通勤手当を含む)を予定している場合、経費としては、15.32%増しの230,640円見込んでおく必要があるのです。

また、この場合、お給料を払った月の翌月末に実際に出ていくお金は、60,560円(200,000*30.28%)になります。引落し不能にならないように、預金口座の残高には注意しておきましょう。

引き落とし額の簡易計算は、標準報酬月額×上表の料率を3つそのまま足し算したパーセンテージ で行えます。

  • 【40歳以上64歳未満】 「標準報酬月額」×30.28%(…11.62%+18.3%+0.36%)
  • 【39歳以下】 「標準報酬月額」×28.68%(…10.02%+18.3%+0.36%)

参考:保険料の計算方法について 天引き額の 「端数処理について51銭以上切上げ」とありますが、実際の天引き額は、従業員が有利になるよう、切り捨てることが多いようです。

今日の授業参観

小学校から英語をやっているのが、自分たちの頃と違うなあーと。動画の利用も普通ですね。