ボランティア活動の支出は経費になるか

収入の見込みがないものに対する支出は、経費になりません。

という原則からすると、ボランティア活動のための交通費などは、経費にならないことになります。

その会の趣旨が奉仕のためであり、奉仕活動をしに行っているからです。

奉仕活動のための支出が経費になる場合

しかし、自分の仕事上、営業ルートとしてその奉仕活動で知り合った方が実際にお客様になり、収入が発生したのであれば、そのお客様に出会い、親しくなるための個別の支出(接待交際費)に限って、経費になると考えます。

逆にいうと、こういった活動費や会費については、収入が発生しないときは、経費にすべきではないでしょう。

あとは同業者団体における交際費。そういった活動をすると、会の仕組み上、自分の評価ポイントが上がり、同業者団体からの仕事が回ってくる仕組みになっていて(そういうのを会員に説明する文書があるものです)、実際に団体経由で売上が立てば、経費でしょう。

ここでのポイントは、まず売上が立つことが必要だということです。

売上がないのに、経費だけを計上することはないと考えれば、大きく間違えないはずです。

売上がなければ、個人事業主として、事業所得の申告は始められません。まず売上を立ててから、それに対応する経費は何だったか? の順番で考えましょう。

赤字にして節税、にだまされないように

赤字にして節税してトクしよう、みたいな情報に出会うかもしれません。

しかし、赤字になっている時点でソンをしているのですから、トクしているはずがありません。

赤字になっているのにトクをしているとすれば、生活費を経費にしているからです(脱税です)。

そもそも毎年赤字になるような活動は、趣味か、まさに慈善事業・ボランティア。(開業直後・災害時・一時的な売上不振といった理由がなく、恒常的に赤字の場合です)

そういったものに出すお金は、他の収入で得た自分の貯金から出ている生活費です。

生活費をいくら使っても税金は減らない、という原則を覚えておきましょう。

事業主にしか、何が経費かは分からない

一律に、こういう領収書が経費になる/ならない、という基準はないとお考えください。

何等かの会費の領収書を見せていただいただけでは、税理士にもそれが経費かは分かりません。

ある領収書が経費になるかは、さきほどお話ししたように、何の売上が立っていたかによるからです。

その売上と経費の関係を説明でき、判断できるのは事業主ご自身です。

その判断をするためには、毎日、自分の支出を領収書でチェックして、誰に会ったかなどメモを入れておきたいものです。

帳簿の入力を税理士にまかせるとしても、会ったお客様の名前を忘れてしまっては、その領収書を経費と判断するチャンスをふいにしてしまいます。

反対に、「これは生活費だな」という領収書は先によけておくという方法もあります。そういうもののほうが、すぐ分かりますので。

年末まで残り3カ月、領収書の整理・生活費との区分が進んでいない方は、確定申告に備え、ちょっとバックヤードにも目を向けていただければと思います。

編集後記

横濱ジャズプロムナード2024 ジャズクルー(ボランティア)オールスタッフミーティングに出席。