NPO法人(特定非営利活動法人)のような非営利の団体でも、法人税が課税されることがあります。
それが、収益事業を行っている場合です。
非営利団体でも法人税が課される理由は
歴史的には、シャウプ勧告を受け、1950年から課税されるようになりました。
戦後のインフレに対応するため、非営利団体もお金を稼ぐ必要が出てきたこと、課税されなかったことを悪用した公益法人等が出てきたこととされています。
非営利組織という名目だけでは、法人税を逃れることができなくなっています。
非営利団体が営利企業と同じことをした場合に、非営利団体は課税されず、営利企業だけが課税されるというのは、不公平だからです。
収益事業を行っても課税されない場合は
収益事業を行っても、課税されない場合もあります。
例えば、「物品販売業」に該当する、一般企業でも販売するような玩具を販売しても、本当に原価=売価で売っていて、所得が生じない場合です。
そういうことができるのは、公益法人等は寄附などを受けていて、原価で売っても組織が成り立つからですね。
このような採算の合わない低額譲渡をしても、それが公益法人等の本来である事業の一部である場合、法人税法上の寄附金の損金不算入の適用はありません(法基通15-2-9。資産の低額貸付けは、寄附金税制の適用があります)。
あとは、利益をわずかに載せていたとしても、その販売に係る原価以外の事業費・管理費を引けば常にマイナスになる場合。
さらに、原価・事業費・管理費を引いた利益が1,000円未満の場合です。
法人税の課税標準は1,000円未満切捨てなので、収益事業の利益が999円なら、所得は0円となり、法人税は発生しません。
反対にいうと、収益事業について、法人税の所得の計算をして1000円以上の所得が出ると、原則として法人税の申告が必要になります。
収益事業はやっていないが収入自体は多い場合
業界団体などだと、一般社団法人(非営利徹底型・共益的活動)で法人税は納めておらず、ただ収入の規模は非常に大きな団体もあります。
年間収入が80,000,000円超となると、事業年度終了から4カ月以内に、P/Lにあたる正味財産増減計算書なり、活動計算書なりを、税務署に提出する必要があります。
法人税の申告をしていない団体を管理するためです。鑑として「公益法人等の損益計算書等の提出書」を添付します。
非収益事業に法人税がかからないのは、その収入を翌年度にそのまま再使用できるようにという趣旨があります。
しかし、やっていないつもりが、実は収益事業で、思わぬ課税を受ける……ということがないように、税理士やNPO支援団体の事前の相談がおすすめです。
編集後記
初めて利用したもの:
- Facebookメッセンジャーアプリ
- ホットペッパービューティー