固定費を積み上げて、来年の計画を立てよう

個人事業主の方は、11月までの会計データの入力はお済みですか?

では、1月から11月までの推移表をExcelに書き出してみていただきます。

12月分の経費は、前年同月と同額か、11カ月分の平均額でも仮に入れてみれば、今年の経費の総額が予想できます。

それから、12月分の売上は、年内完了見込みの金額を、仮に入れてみましょう。

これでおおよそ、今年が黒字だったか、赤字だったかが分かります。

黒字の方は、納税資金を取っておきたいですね。インボイスに登録した方は、赤字でも消費税の納税が発生することもあります。

ほしいものがあれば、その分売上目標に入れておく

会費を振り返ってみよう

サービス業の方でしたら、売上に応じてかかる費用(売上原価)というのはそれほどないと思われます。

年内のうちに、固定費を見直してみたいところです。

なんだかんだ、フリーランスのようなお仕事だと、人とのつながりで仕事を得るものです。

そこで、いろいろな会に入っている方の場合、会計データから、「会費」を抽出して、いま入っている「会」をリストにしてみましょう。

会ごとの年会費をExcelにまとめてみるのがおすすめです。

何もしなければ、その年会費の積み重ねが、来年もかかってくることが確実です。

そこで、会の名前と、年会費の右セルに、その会経由の売上を入れてみる。

すると、会費<売上、会費>売上 が分かれてくるかと思います。

売上が上がっていない会は、退会を検討してみます。

その分、会費の支払いが止まれば、売上が上がったも同然です。

会に参加する時間もなくなるので、けっこう有利です。なんとなく続けている会がないか、確認しておきましょう。

来年の固定費を予測しよう

意外と増えてしまいがちなのが、固定費です。

私も、開業する前の予想と実際とでは、倍くらい違ったことがあります。

今年の固定費を先ほど予測してみましたが、これが来年もほぼかかってくる。

今年特有の事情で大きかった勘定科目については、来年は小さめに見てもいいですが。

また、先ほど見直した会費を減らし、また、サブスクのサービスも利用していないものは減らしてみて、来年の固定費を予想します。

来年の売上目標は、事業の固定費+生活費

来年の売上目標はどう考えればいいか。

まずは、来年の予測固定費の額。

それに、個人の場合は、年間の生活費を足します。

来年の予測固定費+来年の予測生活費=売上目標

生活費を知るには、家計簿をつけておく必要があるわけですが、「つけていなかった!」という場合でも、逆算で求めることができます。

ものすごくざっくりですが、生活費は次のように求められます。

まず、今年の1月1日の預金残高を求めます。

これに、11月までの事業所得の利益を足します。(売上と入金のズレはありますが、ざっくりなのでこだわらず……)

そこから、今年の11月30日の預金残高を引きます。

これが、11カ月分の生活費です。

これを、11で割って1カ月分の金額にし、12をかけて1年分の金額にしたものが、予測生活費です。

個人事業の利益のわりに、預金の増え方は小さいはずです。それは、生活費の支払いによって、預金残高が減っているからです。という仕組みを使って、生活費を逆算してみました。

予測生活費に来年の予測固定費を足したものが、収支がトントンになる売上目標の額です。

来年は、子どもの学費などで生活費がアップするかも……ということであれば、売上目標はその分、上乗せしましょう。

なお、固定資産税・個人事業税以外の税金など(所得税・住民税・社会保険料・生命保険料・小規模企業共済掛金など)は、生活費にカウントします。

月次決算をしていると、いろんな計画が立てやすくなります。

編集後記

昨日、11,000円の仕事の依頼がなくなってしまったら、今日、11,000円の仕事の依頼が来ました。案外そんなものなのかもしれません。