フリーランスの源泉所得税は事業主貸ではなく「仮払源泉所得税」で管理

フリーランス(個人)のデザイナーや写真家、校正者等で、企業からの業務委託料が源泉徴収の対象になる方。

この源泉徴収税額は、原則として、確定申告の際に「所得の内訳書」のページに、取引先別にまとめて記載することになります。

確定申告書の記載をゴールと考えると、そのためのデータは、会計ソフト上で、あらかじめ作成しておくのがおすすめです。

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何もしないと「事業主貸」になるが…

会計ソフトのデフォルト設定だと、源泉徴収された税額は、「事業主貸」で処理されます。

freee会計だと、そこに「源泉所得税」という品目タグがつきます。

このメリットは、翌年1月1日に、自動的に残高が0に戻ることです。
新しい年が始まったら、また、取引先別に源泉所得税の集計が始まります。

ただ、デメリットもあります。
freee会計の場合は、プライベート資金で受けた入金などは、貸方の相手科目が「事業主貸」で固定されます。

事業用のカードや預金口座で払ったものの、私用だった場合は、「事業主貸」で処理しますが、これが源泉所得税の分とまざってしまうのが困ります。

これを避けようとした場合、他の会計ソフトなら、貸方:事業主「借」で処理する方法があります。
しかし、freee会計の場合は、プライベート資金で受けた入金などは、貸方の相手科目が「事業主貸」で固定されて、変更ができません。

結果、「事業主貸」を試算表:貸借対照表で取引先別に開いたときに、ゴールである取引先別の源泉所得税が出てこないことになるのです。

その場合、どうするか。

「仮払源泉所得税」勘定を新設しよう

マスタ・口座→勘定科目→新規作成

この場合は、ご自分でオリジナルの勘定科目を作って、源泉所得税だけを集計するようにしたほうが便利です。

freee会計の左のメニュー「マスタ・口座」から、勘定科目→新規作成で、「仮払源泉所得税」という勘定科目を登録しましょう。

カテゴリーは事業主貸、青色申告決算書の残高は、事業主貸にします。

取引先別に源泉所得税が確認できる

これで、源泉所得税が取引先別に集計されました。

freee会計に限らず、何の会計ソフトでもこのように設定することができます。

すでに事業主貸で処理していた場合の修正方法

すでに、事業主貸で処理して、家事費やら何やらとごっちゃになってしまったという方。

freee会計で、品目タグ「源泉所得税」さえついていれば、対処が可能です。

仕訳帳を品目「源泉所得税」で「絞り込む」。それをCSVエクスポートします。

この仕訳帳データを、Excelのピボットテーブルで取引先別に借方金額を集計すると、これが、あるべき仮払源泉所得税の内訳となります。

ピボットテーブル

そこで、この取引先別の金額を、

借)仮払源泉所得税 品目:源泉所得税 貸)事業主貸 品目:源泉所得税 

でExcelインポート(振替伝票)すればOKです。借方取引先と貸方品目は同一にします。
日付は、科目を修正する今月末日。
摘要は、「源泉所得税の管理科目変更」などとしておけばいいでしょう。

フリーランスが出す請求書 源泉徴収税額あり? なし?

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