私が税理士の仕事を受けるときは、前受にしています。
一般的な賃貸住宅の家賃と同じですね。
顧問料(決算料)なら、今月末に、翌月分をお支払いいただく。
確定申告なら、仕事を開始する前(遅くとも申告の前)までにお支払いいただく。
この場合、サービスを提供する側では、会計ソフト(freee会計)でどのように入力するのかまとめてみました。
同じような前受経理の方の参考になればと思います。
単に請求書を作成→「保存して取引を登録」だと売掛金になってしまう
前受経理では、次のような3ステップの流れになります。
- 請求書を作成してお渡しする
- 実際に入金がある
- 納品して売上に計上する
freee会計では、請求書を保存して取引を登録すると、同時に「売掛金/売上高」の仕訳が作成されるのが原則です。
前受経理では、請求書を発行してお渡しするときに「売上高」が計上されてしまうと、困るわけです。
月別の売上高がずれて、期ズレ(今期の売上が来期に、来期の売上が今期に)の原因になります。
コロナのときは月別売上高が給付金の支給に影響しました。
前受経理をするなら、仕事を納品した月に売上高を計上しなければなりません。
そこで、ひと手間必要です。
まず、「勘定科目・タグなどを入力」のチェックボックスをONにします。
そして、勘定科目に「前受金」を入れます。税区分の「対象外」を確認します。
期中であれば、保存して取引を登録
ここで、選択肢があります。
保存か、保存して取引を登録か。対決ムードが高まります。
これは、期中であれば、「保存して取引を登録」でよいです。
仕訳は「未収入金/前受金」が登録されます。
簿記を学習された方なら、「対照勘定」や「備忘記録」として習った仕訳ですね。
この取引自体に意味はないです。これから前受金をもらう予定ですよ、というメモになります。
実際に期中に入金があったときは、未収入金が「自動で経理」から決済され、前受金だけが残ります。
仕事を納品して、前受金を売上高に振り替えるときは、振替伝票をエクセルインポートすることになります。
全額を売上高にしていいなら、「+更新」機能を使います。
期末であれば、保存するだけの方法がおすすめ
期末の場合は、「保存」がおすすめです。
保存だけして、プレビュー画面の「印刷」からPDF出力するなどして、メールで送ったりできます。
保存しただけなら、未収入金/前受金の仕訳は入りません。
これの何がいいかというと、貸倒引当金の設定をミスしないで済むことです。
前の方法で入力した未収入金は、単なるメモですし、売上高も計上していないので、貸倒引当金繰入という費用だけを計上することはできません。
そこで、法人税では、別表11(1の2)の「実質的に債権とみられないものの額」に前受金を同額入力して、貸倒引当金の設定対象から外す必要があります。
あるいは決算整理仕訳で相殺してもいいのでしょうが、ミスの原因になります。
相殺しないなら、勘定科目内訳明細書に載せる手間がかかります。両建て仕訳で一見「?」となりがちです。
そこで、請求書だけ発行し、取引を登録しない方法を用います。
請求書の摘要欄には、前受であること、納品が翌期であることが分かるような文言を入れておくといいでしょう。
翌期に入金があったら、銀行の明細から前受金を計上し、翌期に納品したら、先ほどと同様に振替伝票か「+更新」で売上高に計上することになります。
編集後記
Panasonic の「音声プッシュ通知」のサイトが、ログインできるけれど動作不能になっていて、Ruloくんの設定が直せなくなって困っています……。
メーカーの人は誰も気づかないのでしょうか……。あっ、ルーロを使っている人がいないからか? SNSに投稿するとメーカーの人が気づくというムーブ、年明けに試してみようか……。