棚卸資産や前払費用を振替えたときに残高に端数が残るのを防ぐ

年末ですね!

年末といえば、棚卸、そして決算整理仕訳です。

私も今日、最近作った8ページ小冊子(個人の経理と税務の情報誌)の棚卸を行いました。

無料小冊子 『横浜ではたらくフリーランスの守りの種』 – 税理士 木村将秀のブログ

あと、前払費用の残高を理論値に直し、費用も確定しました。

決算整理仕訳は、ほぼ終わった状態です。

未使用(来年以降使う予定のもの)の数を数えよう

平均単価は整数にする(端数を残さない)

小冊子は、27日に100部納品されて、19部をバー イゲタに設置しましたので(他店にも置いていただけるとのこと、ありがとうございます)、81部残っています。

100部を印刷するのに、ラクスルで6,565円かかりました。

すると、1部あたりの金額(単価)を計算する場合、最終仕入原価法(最後に買ったときの単価)で計算することになりますが、総平均法などを選択する方法もあります。

最終仕入原価法であっても、今期の仕入れが1回だけの場合、総平均法と同じ結果になります。平均単価を出すわけです。

6,565円÷100部=@65.65円 → @65円

ここでは端数処理として切捨てをしましたが、期末に1回だけ棚卸の金額を計算するなら、切上げ、切捨て、四捨五入、いずれでもお好みのものでよいです。

所得税の端数処理は、原則として納税額が小さくなるように行われますので、棚卸資産の評価額が最小になり、費用が最大になる切捨てとしました。

期末に残っている81部に、この@65円をかけて、貯蔵品の金額が5,265円となるような決算整理仕訳を入力しましょう。

購入時に費用処理していたら、以下のようになります。

貯蔵品(対象外)/消耗品費など(対象外) 5,265円

貯蔵品の金額の計算上の単価に、端数を残さない(単価を整数にする)ことがポイントです。

消費税の観点からは、未使用分も、納品された年度の課税仕入れになるので、課税仕入れは減りません。

平均単価に端数を残してはいけない

平均単価に端数が残った状態だと、来期以降が困ります。

1個払い出すごとに、整数の単価をかけていけば、在庫が0個になったときに、貯蔵品の残高もきれいに0円になります。

整数単価で期末に計上した貯蔵品の金額は、個数で割り切れるからです。

ここを逆にしてしまうと(例えば、払い出し単価を整数にして、残高を差額で求めてしまうと)、残高の金額が、期末在庫の数量で割り切れなくなります。

あくまで、平均単価(整数)で貯蔵品の額を先に求め、差額で費用を求めるようにしましょう。

この考え方は、前払費用でも同じ

1年分の金額をまとめて払う「前払費用」も多いです。

1年分であれば、べつに全額を費用にしてもいいのですが(短期前払費用の特例といいます)、購読料のように特例が使えないものもあります。

また、特例が使えるサーバー使用料やドメイン使用料も、前払費用で残してもいいです。

前払費用で残して、月次決算を行う場合、月割で費用計上していくことになります。

この場合でも、今回払った前払費用が、翌期以降何カ月分になるのか、カウントしておきます。

1年分なら、払った金額÷12カ月=平均単価(端数切捨て)を求めます。

次に、来期以降に対応する月数×この平均単価(端数切捨て)で、期末の前払費用の額を求めます。

この金額になるように、決算整理仕訳を行い、支払手数料・諸会費になるような金額は、差額で求めます。

この費用配分の考え方は、棚卸資産と同じです。

翌期に繰り越す前払費用の単価に端数がないことで、月次決算で規定の月数が経過すれば、前払費用の残高がきれいに0円になるので、おすすめです。

編集後記

初日の出を見に行く予定です。

レンタルサーバーのデータベースをアップグレードしました。たまにお使いのサーバーにログインしてみましょう。更新する旨の通知が来ているかもしれません(データベースを更新すれば、WordPressのエラーメッセージが減る場合も)。