創業時に融資を受けている方は多いです。
設備投資の支払が先行し、すぐに売上が立つわけではないので、ある意味ふつうのことです。
融資は、さまざまな金融機関が行っており、また創業支援融資も多くの制度があるので、整理してみました。
また、どこから借りるかの順番は、ないようであります。
順序が違うと「何でウチに先に申し込んできたんだ?」と不思議がられるかも……。

最初は、やはり日本政策金融公庫(国民生活事業)
いきなり地元の信用金庫や地方銀行には行かないものです。
まずは、日本政策金融公庫(国民生活事業)に相談しましょう。
私にご相談いただいたら、ご了解をいただいた範囲内で公庫のエリアのご担当者様にお伝えできます。
公庫の融資には、いろいろな制度があるのですが、公庫のご担当者様に相談すれば、その中で一番金利の低いものを薦めていただけるので、ご自分で選ぼうとされなくてよいです。
制度の名前が変わっていますが、いまは「新規開業・スタートアップ支援資金」から始めることになるでしょう。
「銀行にお金があるから、借りなくていい?」と遠慮しなくてもよいです。
むしろ、長期間銀行に置いていた資金があるということが、融資審査の際の信用になります。
『ナニワ金融道』でも、そういう台詞がありましたよね?
審査自体に、創業融資とそれ以外の違いがあるわけではありません。
すでに決算書があるか、ないかの違いだけです。
また、横浜市の創業支援(創業セミナー等)を受講すると、金利が下がります。
受講した場合、このあと説明する、横浜市の「おうえん資金」制度を利用する場合にもメリットがあります。
受講しなくても、中小企業会計要領にもとづいた決算書を作成すると決めれば、同様に下げることができます。
(税理士が決算申告を行う場合は、この中小会計要領にもとづきます)
借り換えを検討する
公庫の融資の審査に通り、月々の返済ができていること自体も、今後の借入にあたっての信用になります。
返済が半分近く進んだところで、折り返し融資(借替え、現貸決済ともいう)を相談して、もとの融資額まで借り入れることもおすすめです。
2,000万円借りて、800万円返したところで借り換えを受けると、差額の1,200万円が口座に入金されることになります。
最初の2,000万円はいったん返済して、新たに2,000万円借りた状態になります。
ただ、創業融資だと金利が高くなることもあります。
利率が気になる場合は、地元の商工会議所の経営指導を6カ月受けた場合に利用できる「マル経融資」に借り換えすることも検討してみてはと思います。
金利は低く、また、信用保証協会の保証料もかかりません。
創業して数年が経ち、継続して黒字が出ているようなら、考えてみましょう。(商工会への入会を求められるとは思いますが……)
黒字なり、売上がアップしてきているという、いい時期が、融資申し込みのチャンスです。
ちなみに、マル経融資は、企業規模の条件があります。
サービス業なら、常時使用する従業員数が5人以下です。
信用保証協会を利用する場合の注意点
資金繰りをよくするためには、複数の金融機関から融資を受けることがひとつの方法です。
公庫の次は、地元の信用金庫など、ご自分の口座がある取引金融機関が候補です。
この場合、信用保証協会の保証料を支払うことを求められる場合があります。
借入期間中の保証料を、一括で支払うため、それなりの負担があります。
自治体の支援制度で保証料が割引になったり、無料になったりすることもあります。
これらの制度も、申し込んだ金融機関のほうで利用できるかチェックしてもらえます。
創業5年未満という条件もあるので、軽く会社のほうでも上記の概要を見ておきましょう。
金融機関から提案を受けられていなければ、確認するようにします。
なお、NPO法人は、これらの融資支援制度の対象外です。
公庫のソーシャルビジネス支援資金が利用できないか、公庫に相談してみてはと思います。
その他、業種によっては信用保証協会を利用できないことがあります。
東京信用保証協会の「ご利用いただけない中小企業とは」が詳しい(PDF)ので、ご一読を。
なお、NPO法人は、信用保証協会の利用が可能です。
近況報告
子どもを歯医者に連れていきます。いやがりますが……。
1日1新:ブレイカーズリベンジの対人戦(TINK ARCADE)

1980年生まれ。木村将秀税理士事務所・代表。主にフリーランスやNPO法人のサポートをしている。自分で経理・申告したい/顧問税理士をつけたい/記帳代行を依頼したい に対応。特技はウォーキング(最長は戸塚~小田原間 45km 14時間)、趣味はジャズ喫茶巡り・村上春樹の本・SNK対戦型格闘ゲーム。プロフィール詳細