分記法で「商品販売損」という勘定科目がない理由と、移動平均法

学習簿記で出てくる分記法で、「商品販売益」はあるのに、

(借)現金 ××× (貸)商品    ×××
         (貸)商品販売益 ×××

なんで、商品販売はないのかって、疑問に思ったことはありませんか? 固定資産売却はあるのにね。

「分記法 ”商品販売損”」で検索すると、3件しか出てきません。逆は1,060件。

これは、簿記はお金もうけ(安く仕入れて、高く売る)を前提にしているからですね。商品を売って損することは想定されていないわけです。現実には現金化のため原価割れで売ることもあるでしょうが。

で、安く仕入れて高く売るには、今の売値より、買ってきた値段が安いことが分かっていないといけません。そのためには、仕入れたつど原価が分かる移動平均法が適しているのです。

まあ、売る直前に総平均法で原価を求めてもいいわけですけど。商品を売っていいかを判断するのに、元手を知っておくことが大事です。