立替金精算書をインボイス対応するには

インボイス対応が必要な理由

立替金精算書とは、誰かのために立替払いして、その誰かに代金を請求するための書類です。

会社勤めをしている人なら、自分の財布からお金を出して会社の消耗品を購入(立替払い)し、出金伝票にレシートを添付して、経理部で精算した(お金をもらった)ことがあると思います。あの出金伝票が、立替金精算書です。

インボイス対応が必要なのは、会社として、協力企業の分もまとめて消耗品を購入し、その協力企業に代金を請求するタイプの、おおがかりな立替金精算書です。

この、昔からある実務上の書類を前提にして、インボイス対応をすることになります。

支払先ごとに登録番号の列を追加しよう

立替金精算書を、これまで次のように作成されていた場合、

支払先月分内容税抜税率消費税合計
A社9月分備品50010%50550
B社9月分消耗品10010%10110
総合計660
立替金精算書(従来のもの)

「月分」が10月分の立替金精算書から、支払先ごとに「適格請求書(インボイス)発行事業者の登録番号」の列を追加すればいいことになります。

支払先登録番号月分内容税抜税率消費税合計
A社T1234…10月分備品50010%50550
B社登録なし10月分消耗品10%110
総合計660
立替金精算書(2023年10月分以後)

ポイントは、支払先に登録番号のない業者が含まれていた場合、それが分かるようにすることです。ここでは、「登録なし」としています。

ちなみに、立替払いをした当社の登録番号を表示する必要は、ありません!

インボイス対応のポイント

会社間でやりとりする立替金精算書は、要するに、支払先それぞれから受け取った請求書の一覧表です。なので、登録番号や金額はもとの請求書から転記することになります。

その際、消費税額については、支払先ごとに1回だけ端数処理された税額合計をインボイスから転記します。

支払先ごとに、さらに明細(A社:備品、消耗品、使用料、食品)があって、それぞれに税抜金額を記載した場合でも、その内訳ごとに税額の記載はしなくてよいです。

もし、各社の取引内容の明細ごとに税額を記載した場合には、それは単なる「参考値」である旨を表示します。

また、転記元のインボイスのコピーを協力企業に交付するのが原則ですが、このように複数の支払先がある場合は、当社宛てのインボイス(協力企業分)を当社で保存しておくだけでOKです。

協力企業は、インボイスの記載要件がすべて含まれた当社作成の立替金精算書を保存することによって、協力企業宛てのインボイスの保存をしたことになります。