インボイス制度で何が変わるのか 今の制度と比較する

インボイス制度が始まると、実際にどのような変化があるのでしょうか。

今の消費税の制度は、けっこうよかった

インボイス制度が始まる前の、今の消費税はよい面もありました。

  • 誰から仕入れても、消費税の納税を減らせる
  • なので、仕入先が課税事業者かどうか確認する必要がなく、事業者の手間がかからない
  • なので、免税事業者がB2B取引から排除されない(免税事業者も仕入れにかかる消費税を負担しているのだから、あしざまに扱う必要はない)

インボイス制度が始まると、このよい面が消滅します。

  • 免税事業者から仕入れると、消費税の納税が減らない(緩和措置あり)
  • なので、仕入先が課税事業者かどうかインボイスで確認する必要があり、事業者の手間がかかる
  • なので、免税事業者がB2B取引から排除されがちになる

結果、B2Bの免税事業者は、インボイスを発行できる課税事業者に転換することを迫られます。

消費税分を値段に乗せても、損得はないと言うけれど…

「消費税は、売上-仕入=粗利 の中から納めるのではなく、売上に乗せた消費税から仕入に乗せられた消費税との差額を納めるので、利益に影響を与えない、損も得もしない」とよく言われます。

それは嘘です。

課税事業者になって、本体価格に消費税を上乗せしたら、値上げになるわけです。

値段が上がれば上がるほど、ふつうは、買いたいと思う人の数が減ります。

消費税率がアップしたときに、それに合わせて値上げした場合も同様です。

売上は、単価×売れた数 なので、売れた数が減れば、当然、利益も減ります。

薄利多売、粗利率が低い、値段を上げると需要が下がりやすい商売の方は、消費税が利益を押し下げるリスクがあります。

価格・粗利率・経費を見直す必要があります。売り方、見せ方の改善も検討してみましょう。

本日の物価高

同じ店で10年前は650円だったラーメンが、870円になっていました。味は、変わらずおいしいかったんですけどね。220円アップ(134%)。

本体価格が189円、消費税額が31円アップという内訳です。

税率が8%から10%になったので、125%。本体価格は131%。125%×131%で消費税額は164%となっています。

物価高(インフレ)と、税率アップとの合わせ技で、消費税は増えていくんですね。