最近の税金トラブル 注意点3選

職業柄、税金に関するニュースは耳に入ってきます。
一般紙やラジオから飛び込んでくると、特に注目度が高まります(テレビは17年以上所有したことがない)。

そんな中、ちょっと気になるニュースを集めてみました。

米軍基地のある横須賀の風景(約15年前)

相模原市、消費税を誤徴収

2024年4月18日付なので、昨日のニュースです。
2023年10月からインボイス制度が開始され、自治体もインボイスを発行するようになりました。

相模原市が、10月に、在日米陸軍施設の一般廃棄物処理を行い、その代金をインボイス形式で請求したところ、米軍から「いや、消費税額・税率が載っているのはおかしい」旨の指摘を受けたそうです。

一般廃棄物(浄化槽)処理手数料の誤賦課・誤徴収について (city.sagamihara.kanagawa.jp)

消費税が導入された1989年4月から30年以上、在日米軍に消費税分、過大請求していました。
日米地位協定により、日本国内からアメリカ合衆国軍隊に対する販売・役務提供は、免税取引になるためです。

相模原市が税務署に5年分の更正の請求をして、還付された消費税のうち、地方自治法の時効にかからない分を、在日米陸軍に返したということでしょうか。

以前の自治体の納入通知書って、確かに、ふつうの請求書の書式じゃないから、消費税とか載ってなかったですね。
インボイスで書式を整えたから、発覚したミスといえるでしょう。こういうの、自社にもありそうですね。
「あれ、これ課税/非課税/対象外だったの!?」って。

横領している人の口座隠し

法人の確定申告では、取引銀行の残高証明書を集めて、決算に間違いがないようにします。

残高証明書には、税理士に隠している口座も載っているためです。また、借入のことも分かります。
もちろん、これを偽装する手口もけっこうあり、やはり原本を見せていただきたいところです。
まあいまは残高証明書も、Webダウンロードになったりしてますけれど……。

経理担当者が、通帳を見せてくれず、ネットバンクの出力しか提出してくれなくなった。
銀行関係の資料が途中から変わった。
現金勘定や未収金勘定・仮払金勘定が、不自然に大きいまま、減らない。

こういうとき、身内が現預金を横領している可能性があります。

○○容疑者「△△選手は病気だ」、会計士らの口座確認を再三阻止…「監視望まず」などと説明 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

「残高証明書、有料だし、本当に必要ですか?」。社長が疑問に思うかもしれませんが、上の記事を読んでみていただくと、必要性が分かるのではないでしょうか。
また、現場に任せきりにせず、幹部によるチェック・不正を起こさせない仕組みづくりが重要です。

アイドル、確定申告で還付発言

とある劇団に関するニュースによれば、当初は給料を受け取る身分として入団するが、しばらく経つと劇団員として業務委託の報酬が支払われるようになるとのこと。

アイドルも、おそらくそういうシステムではないかと。

こういった、芸能人に対する報酬の支払いは、10.21%で源泉徴収することになっています。(100万円を超える部分は20.42%)

先日、アイドルの方が、ラジオで「確定申告すると還付になるんですよ。これが大きい」と述べていました。

村上春樹の口癖に、「紳士とは、□□の数と、払った税金については語らないものだ」というものがありますが、至言です。

税金の話を公の場ですると、所得が推測されてしまうんですよね。
10.21%で源泉徴収されているのに還付になるとは、所得の大部分が、税率5%の水準にあるということです。

所得や税金の話をしていいのは、税理士に対してだけ……と思っていただければ幸いです。


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