「天気の子」の衝撃のラストシーンと対になる場面は、警察が来たときに陽菜さんが叫ぶ、「私たち、誰にも迷惑かけてません!」だと思うのです。
誰にも迷惑をかけていないはずの陽菜さんたち、あんまり幸せそうじゃありませんよね。私はこの映画を見て、「誰にも迷惑をかけずに、幸せになることはできない」との思いを強くしました。
ハッピーエンドの「君の名は。」でも、二人が結ばれたことで、瀧を密かに好きだった人、三葉に片思いをしていた人は悲しんだはずです。瀧が三葉を、帆高くんが陽菜さんを失ったときのように。
「天気の子」は、「誰にも迷惑をかけない」陽菜さんが、「自分たちの幸せのために他人に迷惑をかける」陽菜さんに変わる物語。
最近、とある偉い親を持つ人の結婚が話題になりましたが、「親を不幸にしていいんだ、悲しませてもいいんだ」という発想の転換がないと、結婚なんてとてもできないですよ。埋め合わせは後からやればいいです。