よく「事実認定の問題」という言い方をしますが、意味わかります? 私も長いこと実感が持てませんでした。最近、これはわかりやすいなと思った例を紹介します。
映画「バーニング」に、刑事裁判のシーンがあります。そこでは、暴行罪に該当するかどうか、つまり、被告の行為が故意だったかどうかが争われています。
「わざとやりました」という自白(直接証拠)があれば、故意と認定されるのでしょうが、自白はしていないようです。自白がないのに、どうすれば故意である事実が立証できるでしょうか?
そこで証拠として、「被告が椅子を振り回して家具を破壊した」が提示されます。人が偶然、椅子を振り回して家具を破壊するとは、通常考えられません。ということは、被告が被害者に行った行為は、故意だったと推認されます。
「証拠に経験則をあてはめて、事実を認定する」(『法律に強い税理士になる』木山泰嗣、H26、大蔵財務協会)とは、こういう意味です。

1980年生まれ。木村将秀税理士事務所・代表。主にフリーランス・独立間もない個人事業主・法人設立を検討中の方のサポートをしている。自分で経理・申告したい/顧問税理士をつけたい/記帳代行を依頼したい に対応。特技はウォーキング(最長は戸塚~小田原間 45km 14時間)、趣味はジャズ喫茶巡り・村上春樹の本・SNK対戦型格闘ゲーム。プロフィール詳細