半期決算をやってみよう

せっかく自分で経理をしているのでしたら、ちょうど年の半分を過ぎたところで、半期決算をやってみましょう。

自分で入力していることのご褒美といえば、いまの自分の業績が分かることです。
さらに、半年分の入力が済んでいれば、これを2倍すると、ざっくり今年の利益や税金まで見えてきます。

それも最短で、今日(12月決算の場合、6月30日)、分かります。
経理を外注(記帳代行)に出していては、いま時点ではぜったいに分からないことです。

弥生会計サンプルデータ

月次推移・損益計算書(月次)をチェック

半年すぎたところで最初に見たいのは、損益計算書の推移表です。

弥生会計では残高試算表(年間推移)といいます。

弥生会計は残高試算表(年間推移)を見る

freee会計では損益計算書(月次)といいます。

freee会計は会計帳簿→損益計算書(月次)を見る

この画面で、いままでの入力が正しかったのかどうか、ざっくりチェックができます。

売上高が多い月は、理由を言えるか?
地代家賃は、毎月同額が入っているか?
通信費は、毎月ほぼ同額か?
支払利息は、元本の減少にともなって徐々に減っているか?
売上の増加以上に経費が増えずに済んでいるか?
1カ月だけ出現している勘定科目があるか?(あれば、間違いの可能性が高い)

弥生会計だと、冒頭のスクリーンショットのように、単位を「千円」で見ることもできます。
数字の数が減って見やすくなり、おかしな数字に気がつきやすくなるので、おすすめです。
「残高 0 を表示」のチェックを外すと、行数も減り、見やすくなります。

半年分の利益が見えれば、それを2倍にしたものが、今年の見込み利益。
半年分の売上が見えれば、それを×2÷1.01×0.1したものが、来年納税する消費税の最大値です。

消費税の納税額を利益に反映(税込経理)

2割特例や簡易課税で消費税の申告をする会社には、税込経理をおすすめしています。

2割特例・簡易課税なのに経理処理方法を税抜経理にしてしまった場合の注意点 – 税理士 木村将秀のブログ

ただ、何もせずに税込経理をしていると、決算の時期に突然、多額の租税公課が発生して、思ったより利益が出ていない、ということもありえます。

税込経理の場合の消費税は、納税したタイミングで租税公課にすることもできますが、それだと今年の利益が納税するまではっきりしないことになるので、おすすめはしていません。

できれば、決算で 租税公課/未払消費税 の仕訳を入れたいところです。

これは、半期決算(6カ月分の決算)でも入れることができます。
半期決算なので、べつに、完全に正確な納税予測額を入れる必要はありません。

ざっくりでいいのです。

半年分の税込売上高を推移表から求めて、Excelで次のように計算すると、納税額を求めることができます(以下、2割特例の場合の例)。

2割特例の場合の消費税の納税予測額の計算

この場合、 租税公課/未払消費税 200,000 という仕訳を6月30日付で入れておきましょう。

売上にかかった消費税のうち、2割を納める義務があるので、あらかじめ、利益の計算から除いておくのです。

これをやっておかないと、年末に40万円黒字だったから全部使おう、とすると、2カ月後の消費税の納税資金がないことになってしまいます。

消費税は、滞納しやすい税金です。
会計ソフト上は、利益があるように見えても、通帳の残高上は、預金があるように見えても、将来払わなければならないお金なので、はじめから「ない」と認識できるようにしておくのです。

ある程度正確に決算を予測するなら

最初は、ざっくり半年分の数字を2倍して決算予測をする話をしましたが、去年と状況が変わっているのであれば、もうすこし精度を上げてみるのも手です。

freee会計から推移表CSVをダウンロードするPower Automateのフロー

だいたいの会計ソフトには、推移表をCSVで出力する機能があるので、これをExcelで開いて、7月から12月までの売上・経費の予測額を入れるのです。

分からなければ、前年同月の同じ額でもよいです。季節変動が加味されて、より精度が上がります。
また、今年に限って多額の支出が必要だとか、新規事業で売上や粗利が変わるなら、それも反映させて、決算予測を作ってみましょう。

合計列(期間累計)にはSUM関数を入れて、半年分の実績値と残り半年分の予測値とを合計して、決算予測が行えます。

利益の行には、売上総利益-経費計の計算式を入れておきます。
それから、CSVファイルのままにせず、Excel形式で保存しなおします。

頭の中にある将来のお金の出入りを考えながら、決算予測を眺めていると、年の後半にやるべき仕事がアイデアが浮かんでくるはずです。

自分で経理をしているメリットは、自分のつくりだした数値を自分で活用できることです。

半期決算と決算予測、一度トライしてみましょう。

編集後記

午前も午後も関内エリアで仕事。
午前は横浜商工会議所、午後はお客様のところで3カ月単発相談。前回が会計ソフトの立ち上げ、今回がインポート用のExcel作成。
昼食中に、benten103の本棚にあった面白そうなビジネス書を通読。
帰宅後は自分の半期決算を。

1日1新:村上春樹の翻訳新刊、トルーマン・カポーティ『草の竪琴』を読む