法人化するなら、売上・利益がいくらから?

売上がいくらになったら、法人化するといい?

よくあるご質問です。フリーランス同士でもよく話題になるのでしょう。
それは、法人という形が必要なら、売上がいくらでも、法人を設立すればよいのです。

そうではなく、法人化に、多少、節税メリット的な意味を含んでいる場合。
その場合は、売上はそれほど関係がなくて、事業所得がいくらで決まります。

事業所得は、売上から経費などをマイナスした金額、つまり、利益です。

JR根岸線 本郷台駅

事業所得を調べるには

確定申告書の1枚目(第1表)の [1](事業→営業等)の金額が、事業所得の金額です。

所得金額等のほう(収入金額等でないほう)

会計ソフトを使っていれば、青色申告特別控除65万円(または55万円)を引かれたあとの金額ですが、それでよいです。

所得税青色申告決算書なら、 [45] 所得金額です。

法人化の検討に当たっては、ここの数字を見る必要があります。

あとは、法人化後は、これまでのように売上をそのまま生活費に充てていいのではなく、法人(会社)から給料(役員報酬)という形で、毎月定額でもらいます。

今回は、額面で月額30万円(年間360万円)という前提でお話しします。
(毎月の生活費を払うには、手取りで月額23.8万円は必要という考えから)

自力+税理士に相談しながら決算をする場合

事業所得がいくらからなら、法人化しても税金のメリットがあるか?

これは、法人化したあとの、法人の決算・申告をご自分で行うか、税理士に依頼するかによって、変わります。

個人の確定申告のように、自分で法人の申告をする場合でも、追加のコストがかかります。

法人化にするには、まず設立費用がかかります(自力でやる場合でも、登録免許税がかかる)。
これは1回だけですし、役員重任登記費用も、10年に1回にできます。

その他、毎年かかるものとしては、法人税の申告書作成ソフト代です(数万円程度)。
(紙の申告書用紙に書いて提出すれば、あるいは無料のe-Taxソフトを使えば、無料ですが、おすすめはしません……)

また、法人税の申告書の作成のしかたが分からなければ、税理士に有料で教えてもらうこともできます(数万円から10万円程度見込む ※税理士による)。

コストを抑えて自力で法人の申告をされる場合、個人的な見解ですが(このブログは個人的な見解しか述べていませんが)、事業所得が600万円から、法人化してもいいのではと考えます。

もし、配偶者や扶養家族(お子様)の国民健康保険料・国民年金保険料を負担されているのであれば、もうちょっと少なくてもいいかもしれません。
(法人の社会保険の扶養にでき、それによって保険料が上がらないので)

私は、単発相談 で、具体的な法人化の相談や、法人税の申告のサポートを受けています。

税理士に決算を依頼する場合

法人の決算や申告は、ちょっと勉強したけど、自分ではやれそうにないので、税理士に依頼したいという場合。

この場合でしたら、私としては、事業所得が700万円から法人化すればいいかと。

税金や社会保険料の減少メリットが、税理士の顧問料の年額を上回ってくるからです。
(顧問料も、どの税理士に依頼するかで違いますが……私の場合)

社会保険の扶養の人数、年齢によって多少幅はあります。

実際のところ、事業所得がいくらから法人化すべきか? について、税理士の見解はまちまちだと思います。

計算の前提がいろいろだからですね。

社会保険料の増減を考慮しているのか?
マイクロ法人でもよしとするのか? などなど。

私は、今回は役員報酬で生活費がまかなえるくらい、という前提でお話をしました。
「将来、法人で借入をする予定だ」という場合でも、この前提をクリアできていると、審査上スムーズなので。

近況報告

フリーランスの方のための無料小冊子を微修正中です。いまお申込みいただいても、少しお時間をいただいています。
気長にお待ちいただけますと幸いです。

1日1新:2025年度 freee認定資格 更新プログラム