スモールビジネスの決算を素早くチェックする

決算にあたっては、ミスが起こらないようにチェックが必要です。

かといって、あまりにチェックに時間をかけると、本来の業務をする時間がなくなってしまいます。

決算の早期化と正確性を両立するためのポイントをまとめました。

まだお金が入ってきていないものの売上をもらさない

11~12月頃の仕事内容を振り返ってみて、仕事は完了しているが、後払いになっているものをチェックしましょう。

お金が入ってくるまで気づかないことのないように。

売上の計上だけは、もれがないようにしたいものです。(裏を返すと、あとで触れますが経費は多少は……)

メールや書面で報酬が分かるものが残っていればいいですが、口頭で説明されただけ、というパターンもあります。

いまだと、今回から報酬額が変わっていることも。確信がなければ、お客様に確認を。

Kindle本のロイヤリティ収入なども、入金される前に売上は立っていますので、KDPのダッシュボード→12月分の「ロイヤリティの見積り」をチェックして、未収入金と一致しているか確認しましょう。

現金以外でもらった収入をもらさない

報酬や、組合からの割戻しを金券でもらって、まだ使っていないものがあれば、貯蔵品/雑収入 で計上しておきます。

消費税については、報酬としてもらった金券は課税売上、何もしていないが組合員という立場があるからもらった金券は対象外です。

来期以降、金券で支払ったら、経費/現金+貯蔵品 という処理となります。(経費は値引きではなく、全額課税仕入れに計上)

freee会計でクレジットカードを連動している場合

預金やカードなど、API連携しているものの残高確認は楽です。

クレジットカード会社によりますが、1月1日時点で、2月25日支払(12月下旬までの利用状況)の内容が分かっていることもあります。

freee会計でカードをAPI連携していれば、残高は入っているはずですが、これは1月引き落とし分と2月引き落し分との2カ月分になります。

カード会社のページにもログインしてみて、実際にそうなっていることを一度確認してみましょう。

インターネットプロバイダー料金などは、12月分が固まるのが1月11日頃だったりしますが、契約期間内で毎月契約なら、前月と同額を計上しておくこともできます。

ただ、連動すると全額が必要経費に入ってしまうので、個人で家事按分をする場合は品目タグをつけておき、家事按分の処理を実行しておきます。

1月にサービスを受けるための費用を、カード払いで12月に決済していると、API連携したカード残高(負債)に含まれてしまいますが、まだサービスを受けていないならば、借方は費用ではなく、前払金にします。

カードで仕入れたものが残った場合は棚卸資産に、使うものが残った場合は貯蔵品に振り替えておきます。

消費税については、自分のところに納品された時点で全額が課税仕入れになるので、貸方・費用(対象外)となります。

棚卸資産や前払費用を振替えたときに残高に端数が残るのを防ぐ – 税理士 木村将秀のブログ

3月25日支払のカード明細まで待つかどうか。

毎月かかるような費用の場合、1カ月ズレたとしても、長い目で見れば年間の費用に変動がないので、2月25日支払のデータだけ使って経費を確定することも、決算早期化の一つの方法です。

通信費の家事按分はタスク管理データをもとにする

タスク管理をして、仕事ごとにかかった時間を集計することをおすすめしています。

タスク管理Excelにマクロを組み込む(ChatGPTに頼むにも基礎知識は必要) – 税理士 木村将秀のブログ

これの何がいいかというと、1年のうちに仕事をしている時間がカウントできるからです。

光回線代のように、月額で定額がかかるものの場合は、家事按分は仕事時間で行うことになります。

Excelで集計した1年分の仕事にかかった時間を365日で割れば、1日あたりの業務時間が出てきます。

1日あたりの業務時間÷24時間が、通信費の家事按分割合になります。

私のように土日祝日でもブログの更新などの仕事をしている場合、営業日は関係なしに計算できます。

難しいのが携帯電話代ですね。

こちらから電話して、長電話した分は通話明細から拾って経費にすることはできそうですが、通話明細は半年分くらいしか保存されないこともあるので、分からなくなってしまうこともあります。

また、データ通信量は定額で、いつも使うわけではありませんし、12月分の金額が確定するのが1月11日頃だったりします。

仕事で使った割合を証明するのが難しいです。

格安スマホなら、月額1,000~2,000円。

これを精密に家事按分して経費に入れるよりは、手間との兼ね合いで、経費にしないほうが決算が早く終わります。

それ以外の、タスク管理から時間で按分できるものや、間取り図から面積按分できるものはきっちり経費にしておきましょう。

家賃、月極駐車場代、ガソリン代の家事按分の考え方 – 税理士 木村将秀のブログ

編集後記

年賀状は値上がりしたし、SNSであいさつもできるで、減りましたね。私はいまは出していません。今日届いた年賀状じまいの年賀状、QRコードがついていて、今後はメールで、という感じで優れていました。

せっかくいただきましたが、頃合いをみて届いたものはメールでお返ししようと思います。