中小企業は、投資しないものを決める

会社を経営していると、社長仲間から色々な情報が入ってくるでしょう。

投資話、儲け話、事業を引き継がないか等……。

その際の判断基準は、それで資金繰りが悪化するなら、断る。

反対に、入金が先で、支払があとになるような仕事なら、前向きに検討してみてもいいでしょう。

お金が自分のものではない上場企業ならともかく、中小企業は、お金を大事にすべきです。

固定資産の代表例 建物

B/S 貸借対照表から考える

決算書、貸借対照表を読む、というのはとっつきにくいものですが、正直、読めなくてもいいのです。

財務諸表分析は、実態がよくわからない他社に対して、仕方なく行うものです。

社長は自分の会社のことはよくわかっているわけですから、そんな遠回りをする必要はありません。

ただ、B/S つまり貸借対照表の考え方は知っておいたほうがいいです。

資産の部=貸借対照表の左側は、流動資産と固定資産とに分かれています。

ここでは、下の固定資産に注目しましょう。

固定資産は、会社が買った高額なものの集合体です。

小さな会社であれば、固定資産を増やさないように行動したほうが、資金繰りはよくなります。

本社機能のコストを抑えたほうがよい

昔から、本社ビルを建てると、危険信号と言われます。

もちろん中小企業であれば、本社ビルは建てませんが、その考え方は、次のとおりです。

部門別に損益を把握してみたことはありますか?

本社部門は、社長の役員報酬、総務・経理担当者の給与などの費用が発生します。

が、本社部門(本社ビルにかかったお金)からは、通常、収益は生まれないので、リスクだけが高まるのです。

出て行ったお金が1年以上固定されて、戻ってくる保証がないというのが固定資産です。

お金を出すと、固定資産に計上されてしまうものを「投資してみませんか?」と誘われたら、要注意です。

未公開株投資はやめよう

中小企業が投資してはいけないもの。いまなら AI に聞けば教えてくれます。

Copilotだとこんな感じ。

Copilotの回答

うーん。まあまあ参考になるとは思いますが、やはり実感に乏しいというか、抽象的ですね。

社長としては、もっと具体的に、この投資はやめよう、と決めておきたいところです。決めておかないと、迷ってしまうからです。

固定資産の欄に入ってしまうもので、お金として戻ってくる時期が不明か、1年以上先になるもの。

税理士として具体例を一つあげますと、「未公開株投資」です。

このお誘いを受けたら、毅然と断りましょう。

「上場を予定している、上場すれば何倍にもなる」という話が入ってくることがあるでしょうが、果たしていつ上場するのかは、分かりません。

これに投資すると、資産の部→固定資産→投資その他の資産→投資有価証券 として計上されます。

1年以上、回収の予定がないので、固定資産に区分されてしまいます。

投資活動として、固定資産の金額は、年々減らしておきたいものです。

さらに、固定資産が、貸借対照表の右側、純資産の部の金額より小さくなるように、行動できればベストです。

未公開株投資をすると、来年以降もずっと同じ額が固定資産に残り続けてしまい、上記の行動と反する結果になります。

なぜかお金がない、というときは、固定資産に、毎年同じ金額が載っている、または金額が増えている、というものがないか、3年分くらいの決算書を眺めてみてください。

うまくすると、売れるもの・現金化できるものもあるので、行動のアイデア出しのヒントとして、貸借対照表を活用してみましょう。

編集後記

今日は毎週のルーチン、家の掃除。あとはゲームセンターWILLで斬サム対戦会。初めて剣サム、すくすく犬福をプレイ。

WILL店長に、前回忘れてしまった空のコインケースを預かっていただいていました。ありがとうございました!