収入を増やすための支出をし、その領収書が残っていれば、経費にできます。
事業所得・雑所得・譲渡所得など、必要経費が認められる所得の基礎です。
ですが、しばしば応用が求められがちなのが、税務・会計の世界。
領収書が残っていない場合、どうするかです。
![](https://i0.wp.com/kimura-count-base.com/wp-content/uploads/2025/02/s-20250114_130633.jpg?resize=400%2C400&ssl=1)
「と、いうことは……?」という類推能力
譲渡所得の必要経費であれば、見落としがちなのが売買契約書の印紙代。
売買契約書の売買代金だけを経費にしては、もったいないです。
契約書があるということは、印紙が貼ってあるはず。
消印もしており、契約書に「契約書は2通作成し、印紙代は各自で負担」という文言があれば、印紙の領収書がなくても、印紙代を経費にできます。
不動産を買ったときの司法書士報酬・租税公課の請求書・領収書が見つからないこともあるでしょう。
でも、買って登記したときの権利証があれば、そこに登録免許税の金額が載っています。
登記できたということは、登録免許税を払っているわけで、その金額を権利証で証明できれば、領収書がなくても経費にできるでしょう。
この、「ということは…?」という類推・推定が、間接証拠や商慣習から、誰が見ても妥当であれば、経費を主張してみましょう。
反証されない自信が持てるもの
この書類があるということは、当然、この金額を払ったと強く推認できる……という書類が、複数あれば、望ましいです。
間接証拠が1個だけでは厳しいと考えています。記憶だけ、というのも問題です。
1個だけでいいのが、領収証+請求書や契約書など、強い証拠(直接証拠)です。
間接証拠は複数持ちたいものです。それは書類に限りません。
例えば、支払先に聞き取りに行かれても、「ふつうはそうですよ」と言ってくれるはずであるとか、直接の関係先でなくても同業であればだれでも同様のことを証言するだろうと推定される場合。
つまり、ここではこれくらい払うのが業界の「ふつう」といえるような経費は、領収書以外のもので証明しやすいでしょう。
香典など、領収書がないのがふつうの取引が典型例です。
万一認められなくても、追加の税金を払える余力
とはいえ、間接証拠の積み重ねでは、調査する側は、自分が知る余地がないことを調査で見つけてきて、経費を否認される可能性も、もちろんあります。
その場合、追加で払わなければならない税金はどのくらいか。
総合課税なら、自分の所得の高い部分にかかる最大の税率を知っておきましょう。(所得税の速算表 で検索)
分離課税なら、取引に応じた税率が設定されているので、知っておきたいものです。
否認された経費の額×税率、さらに加算税(事実を曲げていなければ+約10%)程度。
嘘ではないが、見解の違いによって経費が認められない場合、税金は割高になるものの、払えればひとまず問題ないわけです。
反証されない自信があり、万一反証されても負担できるもの、それが、例外ですが、領収書がなくても経費にする基準です。
編集後記
確定申告前半戦の山場を迎えつつ、メールを6通も出した日。