受験予備校は、「大学院ルートや税務署ルートと異なり、無味乾燥な条文の暗記や速記が行われていて、法律家としての教育になっていない」と批判されがちです。
が、私は、6年間弱通学していて、「そんなことなかったですよ」と言ってあげたい。受験予備校を弁護するような話をあまり聞かないものですから。
法人税法の講義では、ちゃんと法的三段論法をやります。受験生は、問題文の記述を図解して、どんな事実か認定したうえで、条文に当てはめて結論を出す練習をしています。
いちばんすごかったのは、法22条の基本的な解釈(権利確定主義など)をさらった直後に、譲渡担保の問題を解かせたことです。譲渡担保の取扱いは通達がありますが、その内容には触れずに、正答が出せるか試すのです。
譲渡担保の通達を知らなくても、法22条の解釈ができていれば、ちゃんと正答できる。そのことを体験させてくれたことは、非常によかったと思っています。