村上春樹のビジネスエッセイ 銀行の話

村上春樹はもともと飲食店経営者(調理師免許あり)だったのは有名な話ですが、その当時のエピソードでずっと印象に残っているエッセイが、「一事は万事なのだ」(『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』)。

老舗の村上春樹研究サイトによれば、1977年(春樹当時27歳くらい)のエピソードなので、その点は割り引いて読むとしても。

「国分寺から千駄ヶ谷に店舗を移転したら、現地で実績がなく、当座預金の口座が作れなくて困っていたところ、ある銀行の原宿駅前支店がオープンしたてで、道でノベルティ配布中の支店長に相談したら、すぐに当座が作れた」という話。

私が思うに「二十三区内に店を引っ越しでき、前の店舗を引き払えるくらいの貯金があり、結果それまでちゃんと儲かっているのに、オーナーが若い」ということを、短いやりとりで支店長が見極めたのかな、と。

教訓としては、オープンしたばかりの金融機関の支店にアプローチせよ、でしょうか。