感動とか、一生残るものは、分かるはずのないことが分かったときに生まれる

理解する喜び、というのがあると思います。

私はそれを味わったのが遅くて、大学生のときにExcelの関数を初めて習って、「カンマで区切る部屋ごとに意味があり、そこに入れる数字なり記号なりによって、結果が変わって出力される」という仕組みを理解したときが初めてでした。

脳内麻薬が出て多幸感が止まらなかったことを、よく覚えています。そのExcelファイル自体は、保存に失敗して残っていないのですが、理解したことと、それ自体の喜びは、今も頭の中に残っています。

マイルス・デイビスの音楽に感動するのも、そこに言葉は一切ないのに、そのトランペットの音だけで、マイルスの言いたいことが分かってしまう、ということにあります。

もちろん、マイルス本人に、「これはこういう意味でしょ?」と確認することはできないのですが(死んでますし)、それで構わないというか、自分だけが分かっていればいいのです。

Miles In Tokyo の All Of You における、60年代の日本人に対する親しみや、カムバック後のワルシャワのライブ(YouTube で見られます)のアンコールで出てくるときの一発の音に込められたマイルスのうれしさは、分かりやすいので一度聞かれるといいと思います。

チック・コリアも「マイルスのメロディーは譜面に起こすと普通だが、そこに気持ちがこもることで特別なものになる」と述べています。

そんな難しいことでなくても、言葉のしゃべれない赤ちゃんの気持ちが、だっこしていると突然わかってしまう、という体験が、子を持った人には一度はあるのではないでしょうか。

対戦型格闘ゲームもそうですね。『ハイスコアガール』は、言葉を一切しゃべらないヒロインが、ゲーム画面で文字のない会話をするシーンが白眉ですが、実際のゲームプレイでもそれを感じることができます。

こっちが格下とみると、落とした武器を取らせてくれる人のやさしさ、こっちが一本取ると、次ラウンドで本気を出してくる悔しさ、こっちが誘いをかけるとつい乗ってきてしまう粗忽さ……。

そんなのを味わってしまったらもう、「あの感動をもう一度!」という感じで、物事にはまってしまうのではないかなあ、と思うのです。

今日のSteam/SNKゲーム戦績

真サム…初めての対戦相手(お名前は聞いたことある)に3セット。トータルで負け越しだがそこそこ勝った。餓狼MOW…前も対戦したことあるかも、の人に2連勝したらすぐに接続を切られてしまった。

斬サム…なんか、立川で対戦会をやるようになってから、Steamから人が消滅してしまった。もう長いこと対戦できていない。