インボイスに登録して、消費税を納めるってどういうこと?

消費税は、消費者として買い物するときに、値札の金額に消費税分を上乗せして払った記憶がある。

レシートにも、消費税がいくら、と載っている。

だから払っているんだけれども、今回インボイスを機に、自分が事業主として、反対に消費税をもらって、納める立場(課税事業者)になる。

それってどういうこと?

はじめて消費税を納める方は、売上の約2%を納税する(2割特例)

消費税とは、売上にかかる税金です。

今回はじめて消費税を納める方は、収入の約2%(1.82%)を納税することになります。

税率は10%なのに納税が約2%でいいのは、はじめて消費税を納める方は、消費税額(税抜価格の10%)の2割を納めればよい、という特例があるからです。

売上の10%をそのまま納める必要はありません。

この「はじめての消費税」緩和措置は、2026年9月までの期間限定の予定です。「2割特例」といいます。

赤字でも納める消費税 どうやって納税する?

所得税は、売上から経費を引いた残りにかかる税金なので、赤字なら納税の心配はありません。

一方、消費税は、収入自体に税金がかかるので、赤字でも納めるケースが多いです。

赤字でも収入があるので、その収入の一部を「なかったもの」と考えて別に取っておき、それを納めるというイメージです。

消費税は、こういう性質があるので、滞納が多いのです。

消費税の滞納を防ぐにはどうするか

はじめて消費税を納める方は、負担が新たに生じるので、インボイスに登録したことをきっかけに、納税分(1.82%)を値上げできればベストです。

ただ、その分収入が増えてしまいます。

収入が増えたからといってうれしくなって使ってしまうと、いざ、納税のタイミングでお金がないことになります。

そのため、この税金分は、なかったものとして、別の口座に貯金しておくことをおすすめします。

とはいえ、これが新たな負担となりますので、もし、インボイス登録したのち、税込代金をいままでどおりとしたら、この納税額分、手取りが減ることになります。

消費税分を単に価格に上乗せ(転嫁)したら、需要は減る

手取りを減らさないようにするには、この約2%を値上げするか、コスト削減する必要があります。

約2%を値上げしても、納税があるので、商品1個あたりの利益が増えるわけではありません。

一瞬、収入が増えた気がしますけど、それは後で納税する分なので、別の口座に移しておくなどの対応をされてもいいのかなと思います。消費税分を使ってしまって滞納する人が多いのです。

商品1個あたりの利益が変わらないなら、会社への影響はないのかな? と思いがちですが、特に小売・卸売業では、税込金額が上がれば需要は下がり、販売数量の減少を通じて利益が下がる可能性があります。ご注意を。