会計システムによっては、取引先マスタを持っていて、仕訳入力時に購入先を選択することができます。
そのマスタに、インボイスの登録番号を入れられるようになっていますが、これ、まじめに運用しようとすると、無理があります。
フランチャイズの問題
システムの運用を始めると、早々にフランチャイズ問題にぶつかるでしょう。
レシートから登録番号を転記しようとすると、取引先マスタがこんな感じになります。いかにもめんどくさそう。
- ファミリーマート(A社) T1111…
- ファミリーマート(B社) T2222…
- ファミリーマート(C社) T3333…
それでいて、苦労してマスタに登録しても、その後は、またレシートの登録番号なり運営法人名を確認しないと、取引先を選べませんので、マスタが役に立ちません。
しないで済むことは、しないで済ませよう
もちろん、こんな、手間ばかりかかることはやる必要はありません。
簡易課税・2割特例の方は当然やらなくていいのですが、一般課税で還付を受けたい人でも、ここまでやる必要はないです。
インボイスは、保存が義務なのであって、登録番号を会計ソフトに入力することが義務なのではありません。
「私がこの登録番号を確認した! だから、仕訳は『インボイスあり』の処理をするよ! インボイスは保存したよ!」
これでいいのです。
取引先マスタに登録番号を入力するのは、取引金額の大きい取引先に限定してもよいと思います。
コンビニで買った商品に含まれる消費税額は小さなものです。大きい金額を間違えないことが大切です。
インボイス対応の仕事が増えたきっかけで、経理業務を減らそう
インボイスの仕事が増えた! とげんなりすることはありません。
「仕事が増えた!から、これ、やめていいですか?」と上司に聞いてみてはいかがでしょうか。
特に、前任者から引き継いだが、上司や税理士がチェックしていないのに作成している書類は、やめるべきです。例えば、紙の伝票や現金出納帳(小口現金取引が少ない場合)です。
インボイスは、「登録事業者からの仕入れを、いままでどおりの課税仕入れにする」という本筋さえ間違えなければよい、と考えて、業務を進めていただければと思います。