医療費控除の効率的な集計にはExcelを使う

いまが、医療費控除の集計のチャンスです。

まだ、2024年の病院は開いていません。来年の医療費の領収書が混入するリスクはないわけです。

いま、手持ちのレシートを集計してしまいましょう。

e-Tax電子申告ならレシートの添付不要、集計表を作成するだけ

昔の感覚だと、医療費の領収証を税務署に郵送する、という感じだったと思いますが、確定申告を電子申告で行えば、5年間、レシートを取っておけばよいことになっています。

人別、病院別の合計額を集計表に転記すれば、完成です。

この集計には、Excelが役立ちます。「人」「年月日(年間違い避けるため、できれば)」「金額」「摘要(病院名・薬局名)」の4列の表をつくります。

人名は苗字ではなく下の名前を入れて、オートコンプリートが働くようにします。病院名も、同じ病院を入力するなら4文字くらい打てば、自動的に入力済みの病院名が出てきますので、効率的です。

入力後、その表のどこかのセルをクリックして、Ctrl+Tでテーブル化します。

近くの空いた場所で、Alt→N→V→Enterでピボットテーブルを作成、「テーブル/範囲」に先ほどのテーブルを選択します。

フィールドの設定は、下のスクリーンショットのように行います。

これで、確定申告(e-Tax)に入力する、医療費の明細表の元となる表が作れます。

確定申告書等作成コーナーなら、CSV読込ができますので、この表を基にCSVファイルを作ってもよいですね。

医療費の集計上の注意点

去年・来年の日付のレシートは、対象外です(年末に集計するのをおすすめする理由)。

また、クレジットカードで医療費を払った場合。預金口座から引き落とされた日が来年でも、今年治療を受けていれば、今年の医療費になります。

よくあるのが、予防接種の費用。これは医療費になりません。除いておきましょう。

また、歯医者さんで買った歯ブラシの代金。歯磨きは予防のためにするもの。予防のための費用は医療費ではありません。

入院したとき、その入院について受け取った医療保険金。保険金>支払った医療費 ならば、その入院費用で医療費になるのは、0円です。保険金≦支払った医療費ならば、支払った医療費-保険金=医療費控除の対象 になります。

高額療養費をもらった場合も同じです。支払時に、あらかじめ高額療養費を差し引いた額を払っていた場合は、その払った額が医療費控除の対象です。

病気が理由で、通院のために使った公共交通機関(バス代、タクシー代)も対象となりますが、自家用車で自分で運転して行った場合の病院の駐車場代・ガソリン代は対象外です。

医療費の集計をする必要がない方

「今年も健康だったなあー」という自覚のある方、まず、集計する必要がないです。年間10万円も医療費がかかるというのは相当なことです。

ご高齢でも健康な一人暮らしの方、家族がいても子どもの医療費が自治体で助成される方、これもまず10万円行きません。

行かなくて幸せなのです。医療費控除が100万円を超えたら、税金が安くなっても、うれしくないはずです。

時間の節約をするために、大病した、入院したというのでなければ、集計は省略してしまいましょう。集計に時間かけて10万円いかなかったら、ショックを受けますよ!

こまめにExcelで家計簿をつけて、集計前に科目「医療費」でフィルタをかけて合計し、「10万円行きそうにないな」という見込みを立てておければベストです。