例年、国税庁の公式サイト「確定申告書等作成コーナー」は、1月4日の8時30分に最新版がオープンします。
freeeで確定申告したければ、1月中のアップデートを待たなければいけません。
最速(1月4日)で電子申告するなら、国税庁の公式サイトです。
私(税理士)も毎年、初日に公式サイトで申告しています。公式サイトなので、freeeよりも多機能で融通の利く入力ができます。
決算書で引っかかりそうなところ
確定申告書等作成コーナーは、時間経過で強制ログアウトみたいなのがないので、じっくり取り組めます。
注意点は、まめにデータの保存をすることです。そうすれば、万一画面を閉じてしまっても、そこから再開できるからです。
決算書データを消してしまう事件 KS-W90006
決算書作成の最初のほうの画面での注意点。ある程度決算書を入力してから、ここに戻ってきて、決算書の種類を変更すると、いままで入力したデータがすべて消えてしまいます!
その場合、最初に戻って、先ほどの今年分の保存データ(.data)を読み込んで、作成再開しましょう。
両方入れるのかと思ったら片方でよかった事件 KS-E20009
事業所得の方は、月別売上と合計を入れる欄があって、両方入力するのかな? と思って入力すると、どっちかにしろと言われてしまいます。どっちかでよいです。月別を入力するのがおすすめです。
今回初登場 売上金額・仕入金額の明細
2023年分から初登場、売上と仕入の明細入力です。取引先が法人番号か、インボイス登録番号を持っていれば、その番号を入力することで、取引先名と所在地とが自動入力されます。
ここは番号を半角で入力します。この後の所得税などで、住所の代わりに法人番号を入れることができる欄が出てきますが、そちらは全角数字で入力します(半角だとエラー TA-E77051が出ることも)。
なので、法人番号よりも、社名と住所を直接コピペ入力したほうが速いかもです。
なお、PDFからテキストをコピペする人の注意点。PDFの空白もコピペしてしまうと、「使用できない文字が入力されています(TA-W00008)」とエラーが出ます。フォームを確認して、スペースを削除しましょう。
今年開業の方は、期首の資産の合計額を、期首の元入金に入れよう
期首と期末の資産の部・資本の部の額は、一致している必要があります。
今年開業された方は、期首の事業用の現預金の合計額と同額を、期首の元入金に入力すれば、期首が一致します。
所得税で引っかかりやすいところ
事業所得の【帳簿の種類】の選択もれ TA-E07a029
決算書が出来上がったら、そのデータを引き継いで、所得税の申告書を作るので、事業所得には特に触らなくてもいいのですが、実際の経理の状況に合わせて、「帳簿の種類」を選択しておく必要があります。
退職金の源泉徴収票が2枚ある人の注意点 TA-E74011
確定申告書等作成コーナーにも、できないことがあります。
それが、5年以下勤務の退職金※と、他の退職金との源泉徴収票が2枚ある方です。
※特定役員退職手当等(役員の場合)、短期退職手当等(従業員の場合)
なんと、公式サイトでは計算できないので、「手書き」で作成せよと言われてしまいます。あまりないケースでしょうが、特に、退職金から源泉徴収されていた方は、ご注意ください。
消費税で引っかかりやすいところ
軽減税率の取引がなくても0は入れる必要あり SH-E10035
軽減税率の取引がない方も多いですよね。
でも、消費税の申告書上は、ない人は軽減税率の欄に「0」を入力する必要があります。もし入れ忘れてもエラーが出て、入れ忘れた入力フォームが赤くなるので、すぐに直す(0を入力する)ことができます。
一般課税と2割特例 言われた方をクリックしよう
確定申告書等作成コーナーでは、一般課税・簡易課税・2割特例、どの消費税申告書も作成することができます。
インボイス開始して間もない2023年確定申告では、インボイス登録ではじめて消費税を申告する人は、10月から12月までの分の消費税のかかる売上・仕入を入力することになります。
一般課税(全額控除)で入力したあと、2割特例も選べる方には、消費税の経費となる金額の大きい方を示してくれます。
その、太文字で言われた方を、すなおに選択すればOKです。
消費税が初めてだと、なんだかんだ時間がかかりますので、申告書を作成する時間をとっておくか、税理士に依頼するか、いまから準備をしておきましょう。