じつは、今年から電子取引(インターネット取引のことです)保存の義務化が始まっています。
ダウンロードした領収書は、データのまま保存してくださいね、というやつです。
とはいえ、フリーランスの方は、Excel索引簿とか、作る必要はないです。あれは、大企業向けです。
あの索引簿には、疑問を持っています。あれで、本当に保存してあるPDFファイルが発見できますか? 制度対応のためだけの作業になってしまいそうです。
もちろん、Excelを作成して、それを会計ソフトにインポートし、ついでに索引簿にする、という活用をしているならいいのですが。
電子取引のファイル数が少なく、それを見ながら直接会計ソフトに入力するなら、ファイル名を yyyy-mm-dd_xxxx_社名 にする方が、じつは便利だったりします。
ファイル名で検索できるようにする方法は、言われるほど悪い方法ではないです。
PDFファイルを見ながらファイル名を修正するために、PDFを開く既定のアプリをブラウザにしよう
Edge、Chrome、Firefox、なんでもいいのですが、PDFファイルを開くデフォルトのアプリを、ブラウザにしましょう。
というのは、定番のAdobe Acrobat ReaderでPDFファイルを開くと、ファイル名が変更できなくなるからです。ブラウザで開けば、内容を確認しながらPDFファイルの名前を変更できます。
既定のアプリを変更するには、PDFファイルを右クリック→プログラムから開く→別のプログラムを選択。
Web ブラウザー(ここではEdge)を選択して、「常に使う」を選択。
これで、PDFのアイコンがAdobeのものでなくなれば、OKです。
で、これがけっこう便利なのです。こうすれば、エクスプローラーでファイル名を見ながら、直接会計ソフトに入力したり、インポート用のExcelを作ることができます。
ダウンロードして記憶の新しいうちに入力すれば、もうファイルを開かずに済みます。
細かいことをいえば、同日に同じ金額のPDFが2枚あるときは、ファイル名が同一になってしまうので、「_2」とか入れましょう。
日付はExcelの入力書式と同じにし、また、すぐ金額を入れることで、日本語入力への切り替えを1回だけにできて、効率的です。
ファイルの見つけやすさ、という点でもピカイチです。
ファイル名で検索できるメリット
最近では、インターネット取引というと、大半がクレジットカード払いです。
カード明細から入力する方もおられるでしょうが、ちゃんと経理をやろうとすると、カード明細では情報が足りません。
取引のつど、販売サイトからダウンロードしたり、メールや添付ファイルを保存しておくほうが確実です。
ファイル名変更方式だと、確実にデータが保存されていることになります。
そうすると、決算書を作るにあたって会計ソフトの入力にもれがないかをチェックするときも、エクスプローラーのファイル一覧と突き合わせることもしやすくなります。
「マイクロソフトのPDFファイルがあるけど、freee会計の損益レポートの取引先別で、マイクロソフトが出てきてない。入力もれかも?」と気づくことができます。
これに慣れると、データのほかに、紙の領収書があるのがうっとうしくなります。「領収書は全部PCで見たい」と思われた方、現金取引を減らしてみるのも一考です。
Amazonビジネスを利用していれば、PDF領収書のダウンロードは必須ではない
Amazonビジネスは、サイト上で10年間さかのぼって、領収書をダウンロードできるようになっています。
これは、法人の保存期間をカバーしていますので、あえてダウンロードしなくてもかまいません。
ETC利用証明書も、ダウンロードできる状態であれば、OKです。
消費税の簡易課税が使える事業者さん(2年前の売上高が5000万円以下)でしたら、データを印刷して紙の索引簿をつくる必要もありません。
ただ、ダウンロードしないでおく場合でも、経費の入力もれを発見できるような体制を整えておきましょう。
要は、電子帳簿保存法の要件にかかわらず、自分の経理が楽になるように、データを整理しておくことが肝心です。