Q. 去年、ちょっとした収入がありましたが、確定申告は必要ですか? 勤め人でも、年金生活者でもありません。贈与は受けていません。
収入があったら、税金を計算して、税金を払うことになれば、確定申告が必要です。
今は、確定申告書等作成コーナーで計算できるので、払う税金があるかないか、調べることはできます。
計算した結果、税金が0円なら、確定申告は必要ありません(準確定申告も同じです)。納税額が出たら、確定申告をする必要があります。
しかし、正直言って手間ですよね。そういう方向けに、税金を計算せずに、必要か不要かを判定する方法があります。
自分の税金に対する守備力(所得控除)を知っておく方法
過去に確定申告をしたことがあれば、その控えを探しましょう。
e-Taxで確定申告をしたことがあれば、PC内に syotoku.pdf という名前で保存されているかもしれません。(ファイル名の先頭に r4 など年度がつく)
税務署などの確定申告会場で提出していれば、A4の紙の両サイドに「本人用」という白抜き文字がある書類がありませんか? それが確定申告書の控えです。
その「第一表」の左下に、「所得から差し引かれる金額」の欄があるはずです。この合計(29) 欄が、あなたの、税金に対する守備力です。
(29) の数字が、1,000,000円であれば、ちょっとした仕事をして、そのもうけが1,000,000円以下である限り、税金はかかりません。
あなたの去年1年間のもうけ(税金の攻撃力)が、 (29) の合計(税金に対する守備力)を超えなければ、確定申告は必要ない、ということになります。
税金のダメージ計算式は、(攻撃力-守備力)×税率=税額 です。税額が0円になるもうけ=守備力を知っておくことが重要です。
※チェックしたのが前回の確定申告書の控えなら、今回も (29) 合計=守備力が同じかどうかはわかりませんが、去年も2年前も生活に変化がなければ、だいたい同じと推測されます。
税金に対する守備力は、最低いくらで、どうやったら増やせるか
人は、デフォルトで守備力 480,000 円を持っています。「ちょっとした仕事」のもうけが48万円以下なら、税金はかかりません。
まあ、もうけが48万円だけでは、生活も大変でしょうから……。
あとは、国民健康保険料や、国民年金の支払いがあれば、その支出額分、守備力がアップします。これが社会保険料控除 (13) です。
さらに、スモールビジネスの方だけが加入できる小規模企業共済の掛金の支出額も、守備力アップします。
これらは、実際にお金が出て行った額をもうけから差し引けるので、一種の経費のような感覚です。
他の人よりお金がかかりがち、という個人的な事情でも守備力は増やせる
お子さんがいらっしゃるが、一人で育てている。自分か家族が障害者手帳を持っている。教育費のかかる高校生以上を養っている。収入の少ない配偶者がいる。
そうすると、あなたはその事情で、余分な負担をすることが多いでしょうから、税金の攻撃力を緩和する効果があるのです。
ちょっとしたビジネスをされている方は、一度、確定申告書等作成コーナーに入力をしてみて、ご自身の税金に対する守備力を計算してみることを、おすすめします。
そのビジネスの収支が、「所得から差し引かれる金額」(所得控除)以下であれば、ほとんどの場合、確定申告をする義務はありませんので。