自分の後輩たちに、母校の教室で講義ができる。
そんな仕組みが、卒業生の同業者団体による寄附講座です。
講座を寄附するので、講義する社会人には1円も入りません。
まさにプロによるボランティア、プロボノの一つではありますが、メリットもあります。
業界のイメージアップにより求人に資する
私は人を雇っていないので関係はないのですが、人手がいるお仕事の場合、学生に業界や自分の名前を売ることができます。
そんな仕事があること自体、学生に知られていなければ、学生から選ばれることはありません。
業界の知名度を上げる、イメージアップすることで求人に応募してもらう。正社員でなくても、パート・外注としても自社を選んでもらうための宣伝費と考えましょう。
「大学の講義を聞いた〇〇先生のもとで働きたくて、応募しました!」と言ってもらえれば理想です。
学生向けの寄附講座では、話す内容に「キャリア教育」的な内容を必ず入れましょう。
また、学生生活と自分の仕事の範囲をできるだけ重ねる工夫が必要です。
人前で話す練習になり、話が伝わる実感が得られる
寄附講座によっては、Googleフォーム等で学生からの感想や質問の募集ができます。
その質問一覧を見れば、いまの学生の価値観や興味関心を知ることができます。
質問としては、「この講義で学んだことは?」にすれば、自分の話が伝わったのかも確認できます。
大量にフィードバックが得られるというのはいいものです。伝わらなければ直そうと思えます。
何より、講義をしようとすることで、講師の心得を本で学ぼうと思いますし、分かりやすい話をするには、と自分も創意工夫をします。
私が工夫していることとしては、ひとつの大事な考え方を示して、この場面ではこう、あの場面ではこうと、その考え方をいろんな場面で使ってみせることです。
そうすると、いまの学生はまじめなので、その大事な考え方は、ほぼわかってくれます。
もちろん、多少居眠りしている学生もいるので、そういう人が書いた感想は、そうだろうな、という感じでわかります。
また、いろんな学生がいるので、想定した反応よりポジティブ/ネガティブな反応、意見の分かれる反応も得られることが面白いです。
後輩に伝えたいことが、自分の軸となる考え方だったりする
自分の後輩に伝えたいことこそ、自分の価値観や、実感からくる学びだったりするものです。
そういうのは、最後のまとめとして、一行で伝えられるようにしましょう。何人かには必ず伝わります。
学生に伝わったという感想が得られれば、それは自分のお客様にも伝わる考え方になるかもしれません。
そういったものを発見するために、学生に講義をするのはおすすめです。
編集後記
母校の立教大学で、税理士として所得税法を講義した経験をまとめてみました。
今日はドラマ「地面師たち」全7話を見終えました。