法人設立、法人成りをする場合、おめでたい話ですが、それをどうやって終わらせるかも考える必要があります。
設立時貸借対照表
これはけっこう見慣れない形です。
例えば、資本金として300万円出資したら、
資産の部 | 純資産の部 | ||
現金及び預金 | 3,000,000 | 資本金 | 3,000,000 |
と、おどろくほどあっさりとした貸借対照表になります。
まだ何も取引を行っていませんので、損益計算書はありません。損益計算書は、初年度の期末に作ります。
実務上は、会計ソフトで、期首残高の入力があります。このとおりに入力します。
会社の終りとは
会社を始めたら、通常はずっと続いていくのですが、終わりが来るときもあります。
終わりは想定しておき、じっくり準備をして、平穏に終えたいものです。
これまで黒字を出してきていれば、次のような事情があっても、いきなり破産手続に入ることもなく、静かに幕を引けるはずです。
- お客さんが1社だけだったが、その取引も終わった
- 社長が大病して、続けられなくなった
しかし、設立時もさまざまな諸費用がかかりましたが、終わるときも、その逆の手続きで費用がかかるので、想定しておきましょう。
- 登記手続き(司法書士に依頼する場合。休眠するならいりませんが……)
- 社会保険をやめる手続き(社会保険労務士に依頼する場合)
- 社長や従業員の退職金支払い
その他、預金口座の解約なども進めます。
最終貸借対照表
こういった、会社をやめるための諸手続きの費用は、期中に払ってしまえばいいのですが、どうしても会社をやめてから払うものがあります。
最後事業年度の納税です。
別の会社に吸収合併されて消滅するなら、合併法人のほうで払ってくれるので、気にしなくていいのですが。
自分の会社のままで終わるなら、休眠するにせよ、清算結了登記まで行くにせよ、その後に最後の納税(最低でも法人住民税の均等割がある)を行います。
そのため、最終貸借対照表には、その納税のための現金を残しておかなければいけません。
資産の部 | 負債の部 | ||
現金及び預金 | 70,000 | 未払法人税等 | 70,000 |
純資産の部 | |||
繰越利益剰余金 | △3,000,000 | ||
資本金 | 3,000,000 |
最後の貸借対照表は、あっさりしたものです。なお、最後の損益計算書もつくります。
できれば、会社設立時に出資したお金は、納税資金以外、使い切って終えたいですね。
これまで社長の給料として取ってきた金額の累計が、資本金を超えていれば、「投資を回収して、利益をあげた」、つまり会社をやってよかったということになります。
税理士と相談しながら、進めていきましょう。
編集後記
特定検診の申込をしたり、lit.linkを改良したりという事務。
初めてのこと Steam の自動録画機能。設定でゲーム開始から終了までを自動録画にすれば、何もすることはない。デフォルトで秒間60フレームの滑らかな動画が取れる。 Xbox Game Bar (秒間30フレーム)より高画質。