地元で仕事をするなら郷土史を読もう 日限山の郷土史

日限山に事務所のある、税理士の木村です。

先日自宅を片付けていたら、5年前に自治会からもらった『ひぎり郷土史』が出てきました。

地元・日限山(一部上永谷6丁目)「ひぎり連合自治会」がまとめた、地元の歴史書です。

あらためてじっくり読んでみると、衝撃の事実が次から次へと出てきます。

10年日限山に住んでいますが、ただ住んでいるだけでは何も分からないな、と実感させられました。

やはり、町の古老の言葉には耳を傾けておくべきです。

不動産関係の情報が充実している

この郷土史にはCD-ROMで資料集がついていて、そこに、日限山地区の分譲価格(平均坪単価)が載っているのです。

この坪単価一覧表は、地元の建築家の方がまとめられたものです。

日限山は、1丁目から順番に1969年から1978年にかけて分譲されて、その間に単価が約3.5倍になっています。その約9割が土地のみの販売です。

また、1981年に新耐震基準となっているため、当初の分譲時に建築した住宅は、建て替えていないものはすべて、旧耐震ということになります。

55年が経過し、建替えも進んでいますが、空き家・空き地・貸駐車場・貸農園の増加も見られると郷土史にはあります。その原因は、

  • 子世代が親と同居せず、勤務先に近く便利なマンションを求めることが多いこと
  • 老夫婦の死亡・介護施設への入所

とされています。地元の小学校はクラス数・児童数ともに減少しつつあり、この傾向は変わらないように思えます。

地元で仕事をするなら、こういった実感のこもった情報が、ご自身のお仕事にも影響してくるでしょう。

日限山の豆知識

日限山自治会は、ひとり自治会として誕生したとあります。

当時は上永谷町という地名で、いまもその名前で表札を掲げているお宅も見受けられます。

自治会をひとりで立ち上げるに際し、「日限地蔵」と「八木山」を合体させて、自治会名を「日限山自治会」とし、その自治会目が、その後、町名になったそうです。

あと、永野小学校の「永野」は、「永谷」と「野庭」との合成語だったとか。

1丁目の最寄り駅・下永谷駅は、当初計画では「日限地蔵前駅」となる予定だったこと。上永谷駅からの延伸が立ち退き不調で遅れ、駅がなくなる予定だったのが、分譲時の広告の駅名を見て買った住民の反対運動でなんとか駅ができたとか。

戸塚の再開発が遅れたのは、もともと駅前が闇市で、借地権・転借権・転貸借地権が入り乱れていたためだとか。

バス停「スポーツ公園前」のみに名残を残すスポーツ公園の写真(プール!)も見ることができます。

数十年前の時代のエネルギーを感じながら、豆知識が身に付きます。地元の方とのお話のネタになりそうです。

郷土史を読むなら、知るならどうするか

『ひぎり郷土史 日限山50年の歩み』の概略を紹介しました。

読んでいて、びっくりさせられることが多かったです。

どこにお住まいの方でも、地元の図書館に行き、郷土史を1冊読み通すのはおすすめです。

郷土史が見当たらなくても、地元の自治会のホームページを見てみると、やはり分譲時の新聞広告などが掲載されていたりして、町の成り立ちがわかります。

譲渡所得の計算上、当時の購入金額のあたりをつけるのに、分譲時期の新聞縮刷版で、分譲時の広告を探すのも手ですね。

税理士の仕事も、地元の方とお仕事させていただくパターンが多いです。ご自身の仕事にも地元が重要であれば、郷土史を一度調べてみることをおすすめします。

昨日のセミナー

税理士資格もあるが、税務が苦手なので税務はほぼやっていないという方のお話を聞く。