業績が好転してきたら、借入れを検討しよう

事業は、いいときばかりではありません。

悪いときはどうしてもあり、そこで最悪の事態を避けるためには、まずは支払ができることです。

経費の支払いを待ってもらったりするのは、信用の問題もあり、できれば避けたいところ。

厳しい時に、手元にお金を残す方法は、いいときに借入をしておくことです。
それも、好転のサインが出た段階で、動きたいものです。

決算書、試算表から、業績改善のポイントを見つけ、早めの借入申込をしておきましょう。

貸借対照表でチェックしておきたいこと

貸借対照表をチェックしましょう。

純資産の部の一番下、合計額はプラスになっていますか?
ここがマイナスだと、借入れが難しくなります。
(社長個人やその一族に収入や資産がある等の事情があれば別ですが)

コロナ禍などでいっとき純資産の部がマイナスになっていても、反動で黒字が続けば、ここがプラスに戻っていることがあります。

その原因が、損益計算書です。過去3年分を並べてみて、一番上の売上高が増加傾向になっているでしょうか。

また、貸借対照表に戻り、まだ他からの借入金が残っているかチェックしましょう。

借入金を平均月商で割った数字が少ないほどよいです。
他に借入がない、前に借りて完済したことがあるのもポイントが高いです。

また、資産の部に役員貸付金は残っていないでしょうか。早めに社長から会社に返済しておきたいものです。

損益計算書でチェックしておきたいこと

売上総利益÷売上高=売上高総利益率(粗利率)も、3年程度比較し、大きな変動がないことを確認しておきましょう。

取扱商品に変化がなければ、変動はあまりないはずです。

また、同業者の売上高総利益率の平均とも比較してみましょう。
データは日本政策金融公庫のホームページにあります。

小企業の経営指標調査|日本政策金融公庫

変動や、平均との乖離があれば、理由を説明できるようにしておきます。

また、売上高を事業年度の月数(通常は12カ月)で割った平均月商を出しておき、これで貸借対照表の現金及び預金を割ってみた数字が1倍以上になっているか。

前期の決算書が数カ月前の数字なら、直近の試算表の数字で計算してみましょう。

借入れたい金額が返せるかどうか

借入れをしたい金額が、本当に借りられるか。

(他の借入金の額+今回の借りたい金額)÷(当期純利益+減価償却費)の計算結果が、10以下になっているでしょうか。

純資産の増加額と、お金の出て行かない経費の合計で、借入を何年間で返せるかという計算です。

10以下なら、10年以下で返せるはずだということです。これも小さいほど、金融機関の印象がよいものです。

また、役員報酬は生活費を賄える金額にしておきましょう。あくまで借入れは会社のために行うことが金融機関に伝わるように。

黒字が続いていたら、借入のチャンスです。
まずは運転資金として借りて、手元の資金を厚くしておき、来るべき雨の日に備えましょう。

編集後記

横浜商工会議所で仕事をして、その後は横浜中華街の「こだわりのジャズ喫茶マシュマロ」へ。
午後しか営業していない(17時で閉まる)ので、久々に行けて良かった。
暑かったので、REON POCKET PROが活躍。

1日1新:夕方はリビングで仕事(新聞掲載用原稿を書いて提出)