『1Q84』Book3の面白いポイント

村上春樹『1Q84』の面白い点は、あたまからしっぽまで異常な話なのに、ラストだけふつうの話であること、です。

人が亡くなるということの厳粛さを、多いに感じられます。

一方、カルト教団側の人死にのあまりの雑さに、唖然とします。この対比が鮮やかです。

村上作品では、しばしば人が亡くなりますが、亡くなる前の前触れ、亡くなったあとの事務処理、生きている間に人は何を集めているのか、その様子が淡々と書き綴られているのは、これが唯一であると思います。

そこまでの異常な話があって、このふつうの話が入ってくるところで、急に静けさが訪れるところもいいです。

村上さんの実父をみとった経験が生きているんだろうなと推測します。

好きになれなかった父親も、父親であったというあたりまえのことに気づかされる、その描写が見どころです。未読の方は、そこにたどりつくのを楽しみにしていていただければと思います。

マイ・ベスト・春樹長編です。

投稿者: kimur@x

小学生で Wizardry に、中学生で NEOGEO に、高校生で TRPG に、大学生で HTML 4.01 Strict + CSS 2.0 に、社会人で簿記にハマって税理士になった人。 ■木村将秀税理士事務所ホームページ ■プロフィール