税理士になったのは、中小企業のサポートがしたかったから

前職は、税務には何の関係もない職場で、所得税と住民税と社会保険料が給料から天引きされていることにも気づかないような勤め人として、生きていました。

税務上の手続きを初めて自分でやったのは、更正の請求です。

昔は生まれたばかりの子供でも扶養控除が取れて、年末調整で還付になるはずだったのですが、子供が年末に生まれたために、その処理が漏れていました。

そこで、会社から言われて、自分で更正の請求をして還付を受けたのでした。

大企業と中小企業の違いを感じた前職時代

前職は、大企業にも中小企業にも両方接するような職場でした。

大企業とは何か。それは、何でも自分でできてしまう会社のことです。

経理は経理部が、税務申告は税務部が、リーガルチェックは法務部がやってしまう。

中小企業には、もちろん税務部や法務部はないので、税理士や弁護士にお願いすることになります。

税理士と言う名前も、中小企業の経営者からしか聞いたことはありませんでした。

そこで、どうせ仕事をするなら、中小企業のためになる仕事がしたいなあと思ったのでした。

攻めではなく、守りのサポートがしたかった

企業の「攻め」は、ふつうのことをしていてはダメで、また時代や運にも左右されるものです。

10年以上、業界の栄枯盛衰を見ていると、儲かっている時代というのは、単に前借りをしているだけであり、あとでそのツケを払わされるものだ、という実感がわいてきます。

それは、今でも同じであり、雇用調整助成金をもらってほっとしていると、あとから雇用保険料の増大に苦しめられるというような流れがあります。

しかし、守りについては、ふつうのことをやっていれば、あまり波というのはないほうだと思います。

Perfume の Dream Fighter では、「ふつう」とは、平均・中央値のことではなくて、理想であると歌われています。

中小企業も、経理や税務で「ふつう」ができれば、予期せぬ波を乗り越えられるようになるのではないか。

その「ふつう化」のお手伝いができればという思いで、日々、仕事をしています。