簡単と思うとミスをしやすい

とある本の書評で紹介されていた問題文。たしかこんな内容でした(あえて改変)。

バットとボールを合わせると、1100円です。

バットはボールより1000円高いです。

ボールは何円でしょうか?

これ、トップクラスの大学の学生の半数が間違えるという問題です。

鎌倉のハイキングコース、奔れるくらい簡単ですが、ぬかるみが待っています……

式にすればわかるのに、式にするのをサボると……

ボールは、100円……ではありません。

50円です。

X+1000+X=1100
2X+1000=1100
2X=100
X=50

文章をていねいに計算式に置き換えていけば50円と分かるのですが、問題が簡単そうに見えるので、計算式をつくるのをさぼってしまうのです。

かんたんかんたん、100円と1000円で1100円でしょ、と思考してしまうせいです。

カーネマン、トベルスキーの本に出てくる、能力の節約、簡便法である「ヒューリスティクス」で考えてしまうために起こるミスです。

簡単そうに見えるときが、ピンチです。数字が出てきたら、確実にExcel等で計算可能な状態にするのが対策です。

印刷物のチェックで、「タイトル入れるタイトル入れる」を見落とすのも……

『文にあたる』という校正者の本を読んだら、他の印刷会社の方の書いた本の紹介として、「チラシの見出しに『タイトル入れるタイトル入れる』と仮の文字列が入っているのに、チラシを刷り上げてしまった」というのがありました。

これは、すごくありがちですね……。この例では、印刷会社と、発注元の担当者の承認ハンコが押してあったそうです。

お客さんがオーケーと言ったので、印刷したが間違っていた。お客さんも見落としていたわけです。

「こんな大きな文字でデカデカと載っているものを、見落とすはずがない」とみなが思ってしまったのだろうと書かれています。

これもさっきと同様、簡単そうに見えたので、見落としてしまった。

「大見出しを音読する」というチェックリスト項目を作れば、防げたでしょう。

税理士も、確定申告書・決算書という発行物を作るので、ひとごとではありません。

自分が優秀だと思いこんでも危ない

自分は賢い、と思ってしまったら大ピンチです。(大ピンチレベル:80)。

賢ければ、もう勉強する必要はない。全部わかっている。

となったときも、かなり危険です。ぜんぶ簡単だと思ってしまったら、ミスの地雷原にいるようなものです。

世の中に簡単なことはないんですよね。

ヒューリスティクスで処理しまくれる趣味をたくさんやって、仕事のときや、買い物のときは、常に本来の方法で臨むようにしましょう。


今日の初めて

  • Cheeers Coffee (鎌倉市)
  • そこに至るまでのハイキングコース
  • キリンビール 晴れ風(ハートランド似のすっきりビール。枝豆に合います)