飲食費を交際費として経費にしていいか悩んだら

高額な飲食費が経費から否認されたというニュースを聞いて、もやもやしている方。

業務上接待を行うのがふつうであるとか、得意先・仕入れ先の社名・代表者名・人数などのメモがあるとか、接待交際費の仮払を求める稟議書(目的が明確)があるとかで、人に説明可能であれば、経費でよいと考えています。

交際費等には、税金についていろいろな規定がありますが、税金以前の話として、そもそも経費なのかは、どう判断すればいいでしょうか。

出典を読まずにあれこれ言ってはいけないな、と思いつつ読みました。ネットのリード文よりも、意外と抑えめの内容。

交際費が中小企業にとっての広告宣伝費ならば経費

大企業なら、売上増・イメージアップのために TV CM などを利用して億円単位で宣伝するのでしょうが、中小企業では、ふつう、メディアを使った高額な広告宣伝費はかけられません。

特に B2B なら、個々に接待をして、成約につなげるものです。広告宣伝する代わりに接待をしている。

法人は年間 800 万円まで経費として認められているのも、年間の広告宣伝予算の上限と考えると、「そんなものかな」と思えませんか。

もちろん、実質が広告宣伝費のものは、この 800 万円の別枠で考えてよいです。

実質は接待、でも効果は広告宣伝なので、中小企業は 800 万円まで OK だと考えましょう。

なので接待の相手は、自社の利益を維持・増やしてくれる可能性があるのが望ましいです。

家族や友人と食事をしても、家族や友人が食事代以上のお金を払ってくれる可能性は 0 なので、経費にはなりません。

ふつうの会社における接待の稟議書をイメージできれば経費

大小問わず会社であれば、部下が見込み客を接待するときは、飲食費の仮払いを求めて、上司に稟議書を出すものです。

社長ひとりの会社でも、イマジナリー部下(空想上の部下)を想像してみて、部下が出してきた接待の稟議書が承認できそうなら、経費でしょう。

その稟議書に、「家族と食事をするため」と書いてあったら、接待交際費としては却下ですよね。ふつうはないですが、ありえるとしたら、貸付金にしてやるか、給与を増やしてやるかという形になります。

自分で、部下の気持ちになって接待費申請の稟議書を書いてみて(日時、相手先と自社の参加者名、接待する店、目的、金額)、イマジナリー上司に認められそうだな、と思えれば経費です。

ふつうの会社が、社内の第三者の目を通して経費の OK / NG を判断しているところ、その第三者の目がない小さな会社であれば、想像力が必要になります。

うちは第三者の目のない会社だけど、他の「ふつうの会社」と比べて、うちのやっていることは有利すぎるかも……ずるいかも……不公平かも……と思ったら、経費としては却下してみてはどうですか。(自腹を切りましょう)

会社員経験のある方は、会社員時代の経費申請のことを思い出してみることをおすすめします。

税理士相手に、説明できるか事前に試してみてもいいかもしれません。いきなり本番(税務調査時)に説明するよりは。そんな税理士の活用法もあります。

接待の内容自体は、お客さんに歓んでいただき、今後の関係が良くなる効果が見込めれば、なんでもいいです。そこは自由に考えてやりましょう。

判例を見ても一律に〇〇が経費 OK / NG とはいえない

税金にくわしい方でしたら、「○○」は最高裁で NG とされているから、絶対経費にできない、と思ってらっしゃる方もいるやも……。

でも、その判例に出てくる納税者と、あなたの会社とは、まったく同じ事業ですか? 収入のみなもとは同じですか?

そうじゃないでしょう。

あなたの収入が、その判例で NG とされた交際費の支払先からしかないのでしたら、 OK かもしれません。

その交際費を払うことで利益が増えて、納税が増えるような支出、否認されるでしょうか。(調査で指摘されるリスクはありますが、交渉の余地はあります)

と、お考えいただければ。

税理士に飲食店の領収書をぺらっと見せただけでは、税理士にも「それが経費なのか、わからないことがある」ということも、ご納得いただけるのではないかと思います。

なので、ちょっとお聞きすることもあるかもしれませんが、ご協力いただければうれしいです。

昨日のはじめて

さくらインターネットの新サーバー移行作業をしました。「遅い」と評判のさくらも、この移行でブログ・ ホームページともに、けっこう速くなったのではないかと思いますが、ご体感のほど、どうでしょう。